2017年10月14日(土)。生憎の雨の週末となりました。
朝、傘をさして自宅近くに一画を借りている市民農園へ(品川カブが育ち過ぎ!)。
今も目に鮮やかな内藤唐辛子と、福島・広野町由来の綿を数本収穫。
これらを携えて向かったのは、東京・小金井市。
小金井市東町、笠森稲荷神社の裏手に小金井東センター(公民館東分館)があります。
市の公民館東分館ですが、運営しているのは「市民の図書館・公民館こがねい」というNPO法人とのこと。
ここで10時から開催されたのは、市民講座「何をどう食べる? みんなで考える『食』の未来」の第2回。
「私たちの食生活は、表面上は豊かに見えますが一方では多くの問題を抱えています。身の回りで起こっている食の問題に目を向けて、一人一人が今すぐにできることは何か、一緒に考えてみませんか?」という趣旨の全3回の講座です。
第1回(10月7日、土)は「フードロス-日本の食の現状と、いま私たちができること」と題して、NPO法人コミュニティスクール・まちデザインの近藤惠津子理事長が講演(なかなか好評だったようです)。
10月21日(土)の第3回は、酒井文子さん(食育・野菜料理コーディネーター、小金井市食育推進会議副会長)による「葉っぱも皮も、地元野菜をまるごと味わう試食会」が予定されています。
この日は中継ぎとして、私から「フード・マイレージ-あなたの食が地球を変える」と題して説明をさせて頂きました(先発・抑え両エースの間をつなぐセットアッパーの緊張感を味わえたような)。
ちなみに私の肩書きは「ウェブサイト『フード・マイレージ資料室』主宰」。あくまで個人の資格での参加です。
この日の参加者は、小金井市在住の方を中心に20名ほど。全3回を通して参加される熱心な方ばかりです。
担当の浅香佳代子さんから開会あいさつ、紹介を頂いたのに続き、スライド(パワーポイント)を用いて説明。
ちなみに1ページ目には、わが市民農園の内藤唐辛子と寺島ナスの写真。
持参した内藤唐辛子等をお示ししつつ、まずは自己紹介から。
続いて、私たちの食生活が「激変」したこと(外部化・簡便化、米消費量の半減と畜産物・油脂の急増)と、それが私たちの身近な分野(栄養バランスや安心感)から日本全体の食料供給(自給率、食品ロス)、さらには地球規模の資源・環境まで、様々な分野で悪影響を及ぼしていることを指摘。
それを受けて、私たち自身の食生活と地球環境問題を関連付けて考えるヒントとしてのフード・マイレージについて、具体的な試算結果(ケーススタディ)を含めて紹介。限界や問題点も、ちゃんと説明しました。
さらに、食に関する世界の新しい動き(スローフード、CSA等)、日本各地における伝統野菜の取組み等を紹介した上で、最後に、では今夜の晩ご飯は何を食べますか、と問いかけて終了。
栄養バランスの改善だけではなく、食料自給率の向上も地球環境問題への対応も、すべては自らの食生活次第ということを説明したつもりでしたが・・・。
いつも時間が足らなくなるので今回はスライド数を減らしたのですが、結局、全体での質疑応答の時間が無くなってしまいました。
それでも休憩時間や終了後には、何人かの方が歩み寄ってこられて色々と質問や意見を述べて下さいました。
「私も農産物の価値が分かり、生産者のことを想像することができる消費者になれるよう努力していきたい」と言って下さった方も。
拙い説明でしたが、心に届いた部分もあったようで嬉しく思いました。
ところでこの日は、事務局から「江戸東京野菜推進店ガイド」が配布されました。
小金井市が作成したコンパクトなパンフレットで、江戸東京野菜が食べられるお店のほか、小金井市で生産されている江戸東京野菜、収穫カレンダー等が掲載されています。
かねて江戸東京野菜の復活と普及を通じたまちおこし事業を展開している小金井市において、今回のような講座が開催されたことは、特に大きな意義があったものと思われます。
お声を掛けて下さった方々、参加された皆様、有難うございました。