【ブログ】第7回品川蕪品評会

2017年12月23日(土)。
 天皇誕生日は、夜が白むのを待ちかねて自宅近くの市民農園へ。
 昨年を反省し(大き過ぎ!)、程良い太さのものを選んで品川カブを収穫。形の良い3本を選び、泥と黄ばんだ葉を落として新聞紙とビニール袋に包んでボストンバッグに入れて出発。

東京・品川区の品川神社に到着したのは9時過ぎです。
 「第7回品川蕪品評会」の当日です。主催は地域振興に取り組む「東海道品川宿なすびの花」。今年も冬の日射しがまぶしいほどの好天に恵まれました。
 すでに境内は多くの人たちで溢れています。個人の部で受付。

子ども達の輪の中に、談笑する大塚好雄さんの姿がありました。
 青果店(マルダイ大塚好雄商店)の店主で、地元の町会の会長をされていたこともあり、地域の小中学校で品川カブの栽培指導をするなど、食育や地域活性化に献身的に取り組んでおられる方です。

境内の一隅には、今年も江戸東京野菜が展示されていました。
 多くの人が興味深そうに足を止めています。江戸東京野菜コンシェルジュ協会の皆さんがパンフレットを配ったり、説明されたりしていました。

長テーブルの上には、品評会の主役である保育園や幼稚園、小学校、地域センターの皆さんが出品されたカブが所狭しと並んでいます。

奥の個人の部のテーブルもほぼ一杯でしたが、開けて下さったスペースに並べさせて頂きました(真ん中の写真の一番手前にある見事なカブは、江戸コン仲間のS代さんが昨年に続き出品されたもの。腕を上げられています!)。

今年は昨年より多く、個人を含めて45 チームほどの出品があったそうです。

境内の一画では、品川カブが入った品川汁等の準備が進められています。
 受付、会場整理、調理等のスタッフの皆さんは、全てボランティアだそうです。

富士塚には多くの子どもたちが登っています。
 10時近くなって参加者一同は社殿の前へ。お祓いを受けました。
 真紅の木瓜(ボケ)の花が鮮やかです。

いよいよ品評会がスタートです。

大勢の観客を前に、大塚さんから、
「今年で7回目。農地のない品川区で、特に今年は天候不順だったにも関わらず、子ども達が一所懸命栽培し、たくさん出品をしてくれて子ども達、指導して下さった先生方に感謝したい」等の開会挨拶。

副区長、国会・都議会議員、警察・消防署長など来賓の方達からの挨拶が続きます。
 大塚さんの人的ネットワークの広さを伺い知ることができます(これだけ多くの方の協力がないと、このような規模のイベントはできないということかも知れません)。

2番目に挨拶されたのが大竹道茂さん(江戸東京・伝統野菜研究会代表、江戸東京野菜コンシェルジュ協会会長)。
 大竹さんと大塚さんとの出会いがなければ、そもそもこの品評会は実現しなかったとのこと。

「伝統野菜は正に文化財。子ども達が種を受け継ぎ、栽培し続けているのは素晴らしいこと」等の挨拶がありました。

続いて品評会の仕組み等について、大塚さんから、
 「みんなが頑張って育ててくれたものに順位をつけたくないという気持ちもあるけれども、そこは品評会。審査員の皆さんには厳正に審査してもらいたい」等の説明。

「審査のポイントは色々ある。例えば実と葉のバランス(1:2)も重要。
 ただ、今年は天候不順で小さなものが多いこともあるので、出品した子ども達から1分ずつプレゼンをしてもらい、それも審査の対象にすることとした」とのこと。

引率の先生や保護者に連れられた子ども達が、順番に苦労話や楽しかった思い出を披露していきます。

短い時間ながら、いずれも堂々とした素晴らしいプレゼンです。練習を重ねてきた様子が伺えます。

なかには紙芝居や写真パネルを用意したチームも。この品評会にかける子ども達の熱意が伝わってきます。
 プレゼンを聞く大塚さんの眼と声は、心なしか潤んできたように感じられました。

11時を回った頃にはプレゼンは終了。審査員の皆さんは審査に入ります。
 その間、和楽や太鼓の演奏が行われ、会場の雰囲気を盛り上げます。

今年も品川汁と、千寿葱(ネギ焼きとフライ)を振る舞って下さいました。
 すごい行列にひるみましたが、来賓の国会議員や大竹先生も並んでいるのを見て、石段脇まで伸びている最後尾へ。ちゃんと頂くことが出来ました(美味!)。

そして12時を回り、いよいよ審査結果の発表と表彰式です。

まず、特別奨励賞が社会福祉法人の園芸サークルの皆さんに贈られました。
 マイクを向けられた障がいのある男性の「楽しかった。来年も育てたい」という言葉に、とうとう大塚さんは、進行役でありながら声を詰まらせてしまいました。

そして品評会はクライマックスへ。3位、2位(銀賞)、そして1位(金賞)の発表です。

太鼓の音で緊張感と静寂に包まれる会場が、発表されるたびに歓声と拍手に包まれます。
 名前を呼ばれた子ども達が大塚さんと審査員の前へ。トロフィーと副賞(地元飲食店の食事券など)が授与され、みんなに見えるように誇らしげに受賞したカブを持ち上げます。

そして金賞は、何と3連覇(!)になるという小学校が獲得。
 会場はいっそう大きな歓声と拍手に包まれました。生徒も先生達も感概深そうです。先生方には、連覇の翌年ということでプレッシャーもあったとのこと。

終了後、展示されていた江戸東京野菜は、江戸コンの皆さんの手で子ども達に配られました。
 昨年以上の盛況のうちに品評会は終了。今年も参加賞の高級ミカンを1箱頂きました(有難うございます)。

今回参加させて頂き、大塚さん始めスタッフの皆様に改めて教わったことがあります。

より良い「食」を実現していくに当たっては、生産者や事業者だけではなく、ましてや政治や行政などでもなく、地域に密着した様々な方々の力が大きいということ。
 そして、食(特に地域の歴史や風土に根ざした伝統野菜)に関わる取組みは、地域を結び直し活性化させる上で大きな力を持っているということ。

大変なご苦労もあったかと思います。大塚さん、スタッフの皆さん、有難うございました。

さて、この日は江戸東京野菜関係のダブルヘッター。急いで自宅に向かいました。