2018年2月12日(月)は建国記念日の振替休日。
東京・高円寺で「うおこう寄席・江戸落語を聞いて江戸東京野菜を食べよう」に参加した後は、懇親会はパスして国分寺に移動。
都立武蔵国分寺公園は、広い芝生で子どもたちが遊んでいます。
現在の武蔵国分寺。立派な仁王門もあります。
国指定史跡・武蔵国分寺跡では、基壇の復元工事等が行われています(規模の大きさに驚きます)。
近隣には湧水群もあり、清流が流れています(ホタルを育てているとの看板も)。
武蔵国分寺跡資料館では、様々な出土品や復元模型などが展示されています。
その資料館の前にあるのが「史跡の駅 おたカフェ」。
かつて徳川将軍家の鷹狩り場だった「お鷹の道」にある交流拠点(食事、特産品販売、トイレ休憩など)で、NPO・めぐるまち国分寺が市から委託されて運営しています。
ここでこの日、17時過ぎから開催されたのが「映画『エディブルシティ』上映会、農と食の交流会」。
びっしりと並べられた椅子は約30名の参加者で満席に。
主催者(おたカフェ)の高浜洋平さんの挨拶に続いて、早速、映画『都市を耕す エディブル・シティー』が上映されました。
舞台は、経済格差が広がるアメリカのサンフランシスコやバークレー。
アスファルトを剥ぎ取って畑(ガーデン)に変え、あるいは高速道路の下の荒廃地を耕すことで、自分たちの食を自らつくっていこうという市民運動を描いたドキュメンタリです(以下の画像は公式HPにある予告編から)。
「社会の中で問題は山積みだが、すべてのもの・人をつなぐのが食のシステム」
「食が重要視されないなら市民がその重要性を訴えるだけ」
「食は人々の力で変えられる。食のシステムを市民がコントロールする必要がある」
「問題解決の唯一の場所は都市こそが、問題解決の場所となる」
等の力強いメッセージが、次々と投げかけられます。
なにより、畑を耕し作物を作る人たち(大人も子どもも)の輝くような笑顔が印象的な映画でした。
続いて、高浜さんから鈴木栄里さん(映画の字幕を担当し、日本でエディブル・シティの運動を推進しておられる方だそうです)が作成したスライドの紹介。
映画の概要を振り返りつつ、日本での広がり等について報告がありました。
続いて、鈴木さんと一緒に活動されている堀口博子さん((一社)エディブル・スクールヤード・ジャパン代表)から、エディブル・スクールヤードの日本の現状等について報告。
多摩市立愛和小学校では、学校に菜園を作り、日本の風土に適した「持続可能な生き方のための菜園教育(ディブル・エデュケーション)」がモデル的に実践されているとのこと。活動にはPTAだけではなく地域の方達も参画しているそうです。
そして同様の取組みは、各地に広がりつつあるとのこと。
続いて、会場の参加者を含めた意見交換。
高浜さんからは「こんな活動が国分寺でもっと広がっていけばいいと思うのだけど、どのようにすればいいでしょうか」との問いかけ。
国分寺三百年野菜「こくベジ」の取組みについての紹介もありました。
会場には「こくベジ」プロジェクトに関わっておられる生産者や飲食店関係の方も何人も参加されているようです。
一般的な学校菜園とエディブル・スクールヤードとの違いについて、堀口さんは
「単発の農業体験にとどまるのではなく『生命をつなぐ』ことを教えるのがエディブル・エデュケーション。ニュータウンで少子・高齢化が進むニュータウン等では、エディブル・エデュケーションは一層重要」等の説明がありました。
会場からは、小金井市では大学とも連携した取組みが行われているとの情報提供も。
19時半からは、同じ場所で「農と食をつなぐ交流会」が開催されました。
中村克之さん(国分寺農園)による挨拶と乾杯。
テーブルには、国分寺野菜がたっぷり使われた料理の数々。ラタトゥーユ、スープカレー。コロッケにはうどや里芋。地元の日本酒も。
高浜さんとも名刺交換させて頂きました。
何とサラリーマンをされながら、様々な地域活動に取り組んでおられるとのこと。このような若い方が生産者と流通・飲食店、さらには消費者とをつなぐ活動をされていることを知り、心強く感じました。
堀口さん、中村さんにも挨拶させて頂きました。
清水雄一郎さん(清水農園)は、子どもたちの体験等を積極的に受け入れておられるそうです。
参加者には若い方達も多く、日本版の「エディブルシティ」が、歴史ある東京・国分寺で展開している様子を伺うことができました。
「こくベジ」は前の週に初めて頂いたばかりですが、また、食べに行かないと。