サンゴバー(東京・東新宿)

四半世紀ぶりという強大台風が四国から関西を縦断した2018年9月4日(火)。
 東京地方の雨はそれほどではありませんが、風が強く、帰宅時の西武新宿駅は入場制限で大混雑。

関西国際空港等に大きな被害をもたらしたた台風21号は、翌5日(水)には日本海に抜けて北上、温帯低気圧に。
 その日の終業後は、東京・東新宿へ。

19時から開催されたのは、「サンゴバー」と題する少人数のイベント。
 主催者のHさんは、東日本大震災から数年の間、被災地の蔵のお酒を飲んで応援する「呑みマス!ニッポン」と題するイベント(主に神田・なみへいで開催)を主催されていた方のお一人。
 海の環境保全ボランティアもされているそうです。

会場は、やはり「呑みマス!」のメンバーだったKさんの特許法律事務所。

Hさんから「今年は国際サンゴ礁年。今日はコーラル・ネットワークの宮本育昌代表の話を伺いつつ、日本酒と、日本酒に合うおつまみでゆるゆると交流したい」等の挨拶。

コーラル・ネットワークとは、世界中で行われているリーフチェック(サンゴ礁のモニタリング)を日本で推進するために活動しているNPOとのこと。
 前半は、その代表の宮本さんから「サンゴ礁は語る!?」と題する講演が行われました。

サンゴ礁とは何か、サンゴ礁の色々な役割、サンゴの一生などについて、色鮮やかなスライドを映写しつつ説明して下さいます。共生するカニやフリソデエビがオニヒトデから防禦する様子なども。
 サンゴなどの生き物を「この人」と呼ぶ宮本さんの話しぶりが印象的です。

そして今、サンゴ礁には5つの危機が迫っているとのこと。いずれも人間が関わっているそうです。
 薬物漁法やダイナマイト漁法等の悪影響。ウィルス病の増加は、クルーザー船からの排泄物が原因として疑われているそうです。それに気候変動(海水温の上昇)による白化。

さらに最近の新しい危機がプラスチックごみと日焼け止め。ハワイでは有害物質を含む日焼け止めは使用禁止になっているそうです。
 この日は「サンゴに優しい日焼け止め」の小袋をプレゼントして下さいました。

そして「サンゴ礁を守るために私たちにできること」として、色々なイベントに参加してサンゴ礁の素晴らしさを情報発信・共有すること。再生エネの普及推進等により気候変動を抑えること。サンゴ礁を保全、モニタリングする活動をしている企業やNPOを支援(投資や寄付)すること等。

サンゴ礁がある市町村へのふるさと納税は、食べものに比べるとリターンは少ないかも知れないが、長期的には「お得」とのことです。

2部は交流会。
 まずは沖縄のサンゴビールで乾杯。
 そして、Hさんが知り合いの方の協力を得てセレクトされたサンゴや海にちなんだ銘柄の日本酒を、順番に出して下さいます。

海風土(シーフード、広島・今田酒造)、若波(福岡)、酔鯨(高知)、大山・夏の雪(山形・加藤甚八郎酒造)など。
 詳しい銘柄の説明と、日本酒の基礎知識(オマケ)を記したペーパーを配布して下さいました。

それぞれのお酒に合う料理も、順番に出して下さいました。

鶏ハムサラダ(ヨーグルトソース)、人参しりしり、ホタテの梅なめろう、タコの香草サラダ、豚の角煮と煮卵、鶏のレバパテとバケット、チーズ春巻き等々。
 すごいご馳走。Hさんと新婚の旦那様が中心になって準備して下さったそうです。

15名ほどの参加者一人ひとりから自己紹介。
 コーラル・ネットワークのメンバーの方、スキューバダイビングが趣味の方、水中写真家の方(翌日からミクロネシアとのこと)も。

大学時代の北海道旅行で宮本さんと偶然出会って以来いう環境省レンジャーの方。つくばの政府系研究機関にお勤めの男性とは、先日の共奏キッチン@仙人の家(西東京市)でもご一緒でした。

地域文化の担い手である酒蔵を応援する活動をされている女性。都会と地方をつなぐNPOの事務局長をされているという女性(福島・郡山のご出身)。
 「呑みマス!」の常連でもあった環境関係の会社を経営されている女性も(お久しぶりでした!)。

美味しいお酒を頂きながら、海の環境に思いを馳せつつ、ゆるゆると楽しい会話。
 ご馳走様でした。素敵なイベントを有難うございました。

Hさんも仰ってましたが、日本酒の原料(お米)が獲れる水田は、生物多様性に富んでいるという意味でサンゴ礁と相通じるところがあります。
 私たちが食べるもの、飲むもの、全てが環境とつながっています。