【ブログ】「つながり」からはじまる雄勝花物語(Fw 東北)

2018年も11月に入りました。
 1日(木)の朝、空を見上げると綺麗なウロコ雲。

終業後は、東京・恵比寿の EBISU SHOW ROOM へ。
 この日19時から開催されたのは「『つながり』からはじまる雄勝花物語の商品開発」と題するイベント(東北 Weekly vol.23)。

主催の Fw:東北(フォワード東北)とは、東北における NPO、企業、自治体等の共創によるプロジェクトの愛称とのことで、復興庁の関連事業のようです。
(私は霞ヶ関ばたけで知り合った方から紹介され、初めての参加でした。なお、以下の文責は中田にあります。)

定刻となり、進行の方(終了後に挨拶させて頂くと、福島・郡山市から復興庁に出向されている方だそうです。)から、

「硯(すずり)の産地としても知られる宮城・石巻市雄勝(おがつ)町は、東日本大震災の津波被害により4,300人いた人口は1,000人まで減少するなか、(一社)雄勝花物語が中心となって『花と緑を活用したプロジェクト』を進めている」

「今日は、交流しながらカフェメニュー等のアイディアを考えることで、参加者の皆さんにも、つながりとアクションのきっかけを持ち帰ってもらいたい」等と趣旨説明。

まず、(一社)雄勝花物語の代表理事・徳水利枝さんが登壇されました。

「これまで首都圏等から多くの方がボランティア等で来て下さっていることに感謝。振り返ると多くの方とつながってきた7年半だった」

「支援してもらうだけでは悲しいと思い、自分たちで動き始めた。津波で被災して荒地になった土地を綺麗にしたいと花を植え始めた。最初に土を入れるところから千葉大・園芸学部の皆さんが協力して下さった」

「綺麗な花を見ると気持ちが和む。ボランティアの方たちも作業を楽しんで下さったと思う。ゆっくりと植物を育てることで多くの近親等を失くした自分達も癒やされていった」

「今年、国道整備のためにガーデンは移転。ようやく将来のことを考えられるようになった。
 600年の歴史がある雄勝で、雇用も確保するなど持続可能な取組みとしたい。多くの人に足を運んでもらい、地域づくりにも関わってもらいたい」

続いて、【石巻ベーグル】みんなのカフェ ranran ficicant の春日みち代さんが登壇。
 カフェの名称は「家に集まる人たちがみな幸せになるように」という意味(アイヌ民話)とのこと。

参加者一人ひとりに試食の紙皿が配られました。

石巻ベーグル・サーモンクリームサンド(宮城県産おから使用)、ローズマリー・ブラマンジュ、エディブルフラワー・クッキー、フェンネルノフォカッチャ、ブルーベリージャム、ハーブノマドレーヌ、エディブルフラワーの砂糖菓子。

献立リストには使用している原材料や産地まで詳細に書かれていました(最初の受付の際にはアレルギーの有無を確認されました)。

「今、考えているアフタヌーン・ティーセットは、元住民等の中高年層をターゲットに想定。やむを得ず雄勝を離れている方たちに故郷を思い出してもらいたい。
 花を使ったメニューで故郷の土地とのつながりを感じてもらえれば」

ハーブティーとともに頂いた試食の品々は、いずれも美味しいものでした。

試食の後は「雄勝やローズガーデンと関わってもらうために必要なモノ、コトとは」をテーマにアイデアソン。
 テーブル毎(4~6名)に進行役を決めて、それぞれ様々なアイデアを出し紙に書き出していきます。

途中、同席された徳水さんに今後の目標等について質問すると「まずは地域を綺麗にしていくこと、最北端とされるオリーブ栽培に取り組んで収益を上げていきたい」とのこと。

また、もうお一人の理事の方からは、雄勝は牡蠣、帆立、ホヤなど豊かな海産物にも恵まれていること等のお話を伺いました。

引き続きグループ内で話し合い。
 東北のみならず熊本や広島にもボランティアに通っておられる方、外国人の友人に誘われてボランティアを始められた方、雄勝に何度も通っている千葉大・園芸学部の卒業生も。
 一方でボランティア等の経験の全くないという方も。
様々なアイディアが出されていきます。

時間が来て、出てきたアイディアをグループ毎に発表してシェアします。
 「観光客、ボランティア、故郷を離れた人など、人と人とがつながる場所とするために、 例えばガーデンで金銀婚式を行ってはどうか」
 「やはり交通の便が良くないのでシャトルバスを導入しては。二地域居住や子育ての拠点作りが できるのでは」
 「オンリーワンの体験ができる、自分ゴトにできるような学習の場としては」等々。

私たちのグループ(千葉大OBの男性が発表役)からは、雄勝特有のバラの新品種を開発してはどうか等の提案も。

参加者の勝手な(?)アイディア発表を聞かれた徳水さんは
 「この時間は、もう雄勝は真っ暗で鹿しかいない。自分たちだけでは考えられないアイデアがたくさん出てきて、上京してきた甲斐があった」との感想。
 春日さんからも「アイデアを頂き感謝」との言葉を頂きました。

最後に、活動に賛同するという人は「GOOD」、雄勝を訪ねるなど活動に参加したい人は「JOIN」の札を一斉に掲げて記念撮影。
 さらに「JOIN」の札を掲げた人は、コミットメントカードに具体的に何ができるか(したいか) を記入して、各自、名刺等とともに雄勝の方にお渡ししました。

21時過ぎに閉会。
 素晴らしい盛り上がりでした(正直、参加する前は官製イベントと侮っていたのですが、良い意味で大きく裏切られました)。

Fw 東北(フォワード東北)では、これからも毎週のように同様のイベントを継続開催されていくとのことです。