【ブログ】山梨へのプチ遠足

2018年11月18日(日)は、朝8時にJR八王子駅前でMさんに拾って頂き、Iさんとの3人で山梨へ。
 今日は大人の遠足です。

中央道は渋滞もなく快調。
 9時半頃に最初の目的地・甲府市歴史公園に到着。

ここで開催されていたのは、「第9回オーガニックフェスタやまなし~うちの畑においでよ」というイベント。
 主催は、山梨県内の有機農業生産者たちで構成されるやまなし有機農業連絡会議です。

たくさんの農産物や加工品、手作り工芸品等のブースが並んでいます。

恵泉女学園大学の澤登早苗先生(前・日本有機農業学会会長)のお姿も。
 甲州市牧丘町のご実家(ブドウ農家)、恵泉女学園大学も出展されていました。

家族連れなど多くの人たちが、生産者の方達と直接顔を合わせ、話をしながらブースを回っています。

隣接するスペースでは、Green Veggie KOFU というイベントが開催されていました。
 野菜等の食べ物を中心とするマーケット・マルシェで、昨年に続いて2階目のこと。こちらも多くの人で賑わっていました。

早くもたくさんの野菜や雑貨が積み込こまれた車は、さらに西に向かいます。
 須玉ICから県道を20分ほど走ると、道路脇に「ぴたらファーム収穫祭」の小さな看板が出ていました。

駐車スペースに車を置いて、徒歩で会場に向かいます。
 蔵の裏手に回って竹林の道を進むうち、徐々に人々の賑わいが聞こえてきました。

この日は、立ち上げから丸8年を迎えた収穫祭

ぴたらファームとは、田畑を暮らしの中心に置いた持続可能な暮らしを実践する方達による自然循環型のオーガニックファーム(山梨・北杜市白州)で、 初めて訪ねることができました。
 ちなみに、ぴたら(pitara)とは、マオリ語でテントウムシのことだそうです。

ぴたら邸(築100年以上の古民家)脇のテーブルに置かれた名簿に署名し、会場案内図を頂きます。
 見ているだけで楽しくなるような手書きのイラストマップ。スタンプラリーの台紙も兼ねています。

多くの人達で賑わっています。比較的若い方が多く、小さな子ども達の姿も多数。

上野原市西原や東京・檜原村で何度かご一緒したことがある「まほ」さんの姿も。
 その後、こちらに移住して現在は「ぴたら大豆プロジェクト」等を担当されているそうです。生き生きとした姿が印象的でした。
 「だいずのあんこ」等を求めさせて頂きました。

野菜等のほか、様々な食べものも出店されています。
 ぴたらの新米のおむすびとお味噌汁、ぴたらの野菜をたくさん使ったサモサ(インドの揚げスナック)、直火で焼いた石焼き芋、手作りの燻製機で作った漬物など。
 ドリンクにもこだわっています(自家製の梅酒や野菜のカクテル、地元の日本酒やワイン等)。

焚き火パンは、竹の棒に巻き付けた生地を自分でじっくりと焼きます。ゆっくりと膨らんでいきます。
 日本ミツバチのハチミツを塗って頂きました。もちもちで柔らかく、優しい味です。

手作りの石釜で焼くピザは大人気。売り切れ直前に何とかゲットして頂くことかできました。
 これも生地がもちもちです。

ぴたら邸の軒先には吊るし柿の鮮やかな色。
 室内では、写真や映像でぴたらファームの活動やメンバーが紹介されています。座敷ではライブも開催されるようです。

会場内には、冬の天然の野菜保存庫、ソラドちゃん(太陽熱で野菜や果物を乾かす装置)、ニホンミツバチの巣箱などが置かれています。コンポストトイレも。
 スタンプを集めながら、ぴたらファームが目指しているものの姿を知ることができる、楽しい「仕掛け」です。

鶏小屋。犬や猫の姿も。みんな、ぴたらファームの「仲間」だそうです。

お餅つきが始まりました。餅米は、この秋に収穫した「満月」だそうです。
 参加者の方達も交代で杵を握ります。お父さんに手伝ってもらいながら懸命に餅をつく子どもの姿には、大きな拍手。

つき上がったお餅には、ニンジン味噌、大根おろし、きな粉をまぶして、スタンプを集めた人たちに振る舞われました。
 何とも美味!

この後、メンバーによる収穫を祝う踊りが行われるそうですが、時間の都合で会場を後に。
 ゆったりとした豊かな時間を過ごすことができました。

ぴたらファームの収穫祭は年1回ですが、随時、ワンデーオープンファーム、農体験など様々なイベントが随時開催されているそうです。また機会があれば伺いたいと思いました。

尾白川の天然水が流れる道の駅はくしゅうへ。

ここで待っていて下さったのは、こじまんさん。
 愛知県のご出身。昨年、東京の大手印刷会社を退職してこの地に移住し、山梨県農業大学校での研修(職業訓練)を経て、今年から本核的に農業を始められた方。永年の夢を実現されたのです。
 昨年10月の拙メルマガでも紹介させて頂きましたが、就農されてからお会いするのは初めてです。

ぴたらファーム収穫祭参加者の送迎などでお忙しい合間に、圃場を案内して下さいました。

宰相に案内して下さったのは、道の駅から少し山側に登ったところにある畑。
 仲立ちして下さる方がいて、夏以降に新たに借りることができたそうです。

カブやニンジンが栽培されています。
 「八ヶ岳下ろし」もあり気温は低いそうで、一部は二重に寒冷紗がかけられています。資材費もかかっているようです。

白カブと、あやめ雪という綺麗な紫色のカブを抜いて下さいました。なかなか立派に見えます。
 しかし、しばらく耕作されていなかったために地力が乏しく、今年は土作りが間に合わなかったために生育は遅いとのこと。ある程度、収穫はあきらめて、来年の準備に入る予定だそうです。

もう一ヶ所の圃場へ。
 ここでは2月以降、夏野菜が栽培されていたそうですが、台風で一時冠水したこともあり、十分な収穫は無かったそうです。

畑の一画には、青々と山葵菜(ワサビナ)が育っていました。
 しかし先輩農家の方からは、堅過ぎて出荷できないとアドバイスされたとのこと。

摘まんで口に入れてみると、確かに歯ごたえはありますが、濃厚でさわやかな風味が感じられて美味です。

料理も得意なMさんは、美味しいので宅配してもらいたいとおっしゃっていました。
 さらに、流行の野菜ブーケの素材としても面白いのでは、とも。葉物野菜はブーケにすると萎れてしまいますが、これはしっかりしています。

約1.2haの野菜畑を、生産から調整、出荷まで1人で管理されているこじまんさん。
 天候変動のリスクもあるなか、自己資金による機械や資材の購入、行政への申請書類の煩雑さなど、こじまんさんらしく明るく笑いながら話してくれましたが、農業はなかなか大変な様子が伺われました。

明年が実りある年となることを祈りつつ、15時過ぎに帰途に着きました。
 帰りの中央道は大変な渋滞、4時間ほど費やして八王子に着くと、アスファルトとコンクリートに包まれた大都会の光景。
 数時間前との大きな格差に、思わずため息。

わずか1日のプチ遠足でしたが、行った甲斐がありました。山梨(甲斐国)だけに。