【ブログ】銀座農業コミュニティ塾 第7回勉強会

2019年1月16日(水)。
 初場所を初日から3連敗していた横綱・稀勢の里がこの日の朝、引退を表明。
 怪我に泣き短命に終わったのは残念でしたが、これほどファンから愛された横綱はいなかったかも知れません。

この日の夕方は、イルミネーションに彩られた都心のビルの6Fにある中央区立環境情報センターへ。
 「暮らしの中の二十四節気七十二候」展が1月30日までの間、開催中です。

ここの会議室で19時から開催されたのは、銀座農業コミュニティ塾の第7回勉強会

東京・青山で独自のCSA(ベジシェア)に取り組んでおられる黒田浩介事務局長の進行、高安和夫塾長(銀座ミツバチプロジェクト)の挨拶で開会。

前半は、会長の蔦谷栄一先生(農的社会デザイン研究所)による講義。
 「国連の『家族農業の10年』と農的社会」と題するレジュメと関連資料は、事前にメールで送られてきています。

冒頭、「コミュニティ塾は今年も塾生の皆さんが主役。理屈の勉強を超えて実践を期待」等の発言に続いて、本題に入りました(文責・中田)。

「国連は2017年に総会で19~28年を『家族農業の10年』とすることを決定。世界の農業経営の90%が家族経営。環境破壊など企業的農業の負の部分も見え始めてきた。SDGs(持続可能な開発目標、2015)とも関連した動き」

「2018年12月には、国連総会は『小農の権利宣言』を賛成多数で可決。世界の食料生産の8割を占める小規模・家族農業の多様な役割を再評価し、食料主権、種子の権利等を明確に盛り込んだ。
 なお、決議には米、英、豪等は反対し、日本は『国際的な議論が未成熟』として棄権。日本では家族経営や小規模農業に対する政策支援も十分とは言えない」

「世界では1993年にビア・カンペシーナ(小規模家族農民の国際的な運動組織)が発足。日本でも2017年のSFFNJ(小規模・家族農業ネットワーク・ジャパン)小農学会が設立される等の動きがある」

「農業経営には適正規模がある。環境保護や持続可能性を重視するという潮流のなか、日本も一緒に、都市農業を含む家族農業経営モデルの再評価に取り組んで行けるのではないか。
 先進国の大規模農業だけをモデルにするのではなく、途上国や国連の動きも注視していく必要」
等とまとめられました。

後半は、この日の参加者の皆さん(12名)から近況と抱負の報告。

菜の花を植えてBDF(生物由来ディーゼルエンジン用燃料)生産に取り組むなど地域循環モデルを広げていきたいという方。近隣の農家と連携して農的な活動に取り組んでいきたいとする方。近所にある空き店舗をカフェとして活用したいと報告された方。

都区内にあるシェアハウスの管理を任されている方は、中庭で家庭菜園に取り組んでいきたいと報告。
 都内の自宅を地域に開く取組みをされている方からは、栃木にある土地を活用したいとの抱負が述べられました。

また、元農業関係専門紙の記者の方は、収穫物を地域の人たちと分かち合うという小規模農業を再評価していきたいと発言されました。

CSAで野菜をシェアすることを通じてコミュニティ作りに取り組んでいきたいと報告されたのは黒田事務局長。
 高安塾長は、都心でミツバチを飼う取組みに加えてオリーヴ栽培を拡大していきたいと発言されました。

私(中田)からはコンパクトな資料をお配りし、ブログやメルマガを通じて、主として消費者に対する食や農に関する情報発信に努めていきたい、と報告させて頂きました。

終了後は、いつもの地下の餃子屋さんで懇親会。
 それぞれに思いを持って地域で取り組んでいる方たちの間で、楽しく有意義な意見交換が行われました。
 自宅(東村山市)の近くで開催される興味深いイベントの情報も教えて頂きました。

なお、次回は3月11日(月)に開催予定。関心のある方は誰でも参加できます。
 詳細はフェイスブックページ等で告知される予定とのことです。