食事の楽しさは、食に関わる行動と関連しています。
山梨県都留市内の全公立小学校8校の小学校4・5・6年生児童及び全公立中学校3校の生徒を対象とした研究では、食事の楽しさ(いつも楽しく食事しているかどうか)と、食行動の有無との関連が明らかにされています。
これによると、ほぼ毎日、夕食を共食している児童・生徒のうち73.2%が「いつも楽しく食事している(○)」とし、26.7%が「そうでない(×)」(○-×のポイント差46.3)となっているのに対し、ほぼ毎日、夕食を共食していない児童・生徒では53.2%が○、46.8%が×(ポイント差6.5)となっています(リンク先の図113参照)。
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2019/01/113_tanosisa.pdf
また、食卓での会話については、ある児童・生徒はポイント差54.1に対して食卓での会話がない児童・生徒は26.3となっており、ほぼ毎日、食事作りを手伝う児童・生徒は47.5に対してそうではない児童・生徒は30.9等となっています。
この研究成果は、子どもの食育にとっては家庭の役割が重要であることを示唆しています。
国の2017年度食育白書においても、「家族が食卓を囲んで共に食事をとりながらコミュニケーションを図ることは食育の原点であり、共食を通じて、食の楽しさを実感するだけでなく、食や生活に関する基礎を習得する機会にもなっていきます」と、家庭や家族の役割の重要性が強調されています。
ただし、食育と「家族」との関連については、留意する必要がある見解もあります(「ほんのさわり」欄参照)。
[資料]
西中川まき他「小学4・5・6 年生児童および中学1・2・3年生生徒における食事の楽しさと食行動との関連:横断研究」『健康支援』第20巻1号、2018
http://jshp.umin.jp/journal/20_1_27.pdf
平成29年度食育白書
http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/wpaper/h29_index.html
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出典:F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
https://archives.mag2.com/0001579997/
No.160