「ふるさとラボ大賀」というグルーブかあります。
新潟県の山間部にある小さな集落・上越市大賀に年数回通い、地元の方達のお世話になりながら米作り等の交流活動を続けています。
私は今年は全く参加できていなかったのですが、2019年 11月9日(土)、ようやく1年ぶりに訪ねることができました。
今回は1年前と同様、収穫祭と「秋上げ」への参加です。

7時に高田馬場駅前に集合、世話人のみずかさんの車に乗せて頂きました。
今回は東京からの参加者は少なく、おぐさんとの3名のみです。
9時過ぎに関越道の上里SAで朝/昼食の味噌ラーメン。この辺りは小麦の名産地です。
次第に山肌の色が鮮やかに色づいてきます。
湯沢IC を下り、スーパーでビールや米袋等を調達してから西へ。
今回は時間に余裕があるので、12 時前に松之山温泉(十日町市)立ち寄り入浴。露天からの紅葉が見事です。
日本三大薬湯の一つで、熱めの湯に浸かると肌はすべすべ に。
温泉街のお土産屋さんなどを少し散策。

大島青空市場は大幅にリニューアルされていました。
お蕎麦が美味しかった食堂スペースが無くなったのは、ちょっと残念。
農産物や加工品のほか、この日は大きなモクズガニも。
出店されていた刃物屋さんによると、今年は熊の被害が深刻とのことで(新聞記事を見せて下さいました)、格闘用(?)のナタも販売されていました。

国道を右折して狭い山道を登っていくと、やがて大賀集落入り口を示すシュールな看板(夜、見たら怖いかも?)。
さらに進み、大賀に到着したのは 14 時過ぎ。
まずは、いつもお世話になっている中村昭一さん宅に寄ってご挨拶。
ちょうど沢から摘んで来たセリを洗っておられました。このようなところにも山村暮らしの豊かさを感じます。

収穫祭の会場で、泊めても頂く庵寺の前には鮮やかな色の柿の実がたわわに実っています。
心配していた雨は、落ちてくる気配はありません。
庵寺を掃除してから加工場に移動し、中村さんが届けて下さった今年の新米(玄米)をラボのメンバー向けに小分け。
現地に来られなくても、大賀のお米を食べたいという人はたくさんいて、この日は2kg入りを13袋作りました。

庵寺に戻ると、中村さんご夫妻が鴨鍋の準備をして下さっていました。
囲炉裏の薪ストーブにかけた大鍋で、野菜や豆腐とともに煮込んでいきます。先ほどのセリも、たっぷりと入れられました。

16時近くになり、地元の方々が三々五々集まってこられました。
各戸1品ずつ持ち寄って下さっています。
蕎麦いなり(初めて頂きました)、蕗の煮物、高野豆腐、蕪の漬け物など、いずれも素朴なご馳走です。
近くの温泉施設からの仕出しの折り詰め、みずかさんが高知の知合いの方に頼んで取り寄せたカツオたたきも届きました。

17時前、中村さんの乾杯の音頭で収穫祭がスタート。
参加者は20名ほど。ふだんは平野部に住んでおられる集落出身の方や、関東から移住して来られた方もおられます。
ご両親がこの地に移住してから生まれた櫻子ちゃんは、来春、いよいよ小学校に上がるとのこと。
美味しい料理とお酒。おぐさんはスペイン旅行土産のワインを出して下さいました。
宴は続きます。21 時を過ぎ、ちょっと隣の部屋で横になると、不覚にもそのまま寝落ちしてしまいました。

翌朝は、ようやく7時頃に起床。
朝食の準備をされているみずかさんに挨拶だけして、ラボで使わせてもらっている田んぼまで降りてみました。
一晩中降っていた雨はほぼ上がり、霧が掛かった棚田は幻想的な光景です。
今年も各地で大きな洪水等の被害がありましたが、このような山間部の棚田が雨水を貯留し、土砂崩れを防止する役割を担っているのです。
残念ながら、耕作されていない農地も散見されました。

8時頃から朝食。
みずかさんが炊いて下さったご飯は熊本産ヒノヒカリ。みずかさんは、今も熊本地震の被災地支援に通い続けておられます。
掃除して、お米も積んで9時頃に出発。
この日は年に一度の「秋上げ」の日。
稲刈りなど農事が終わったことを祝う、大賀を含む源(みなもと)地区全体の行事です。

会場は旧・源小学校の体育館。
9時からの 開会式は終わり(今年も間に合いませんでした)、集落対抗の競技会が始まっていました。
脇のテーブルには、野菜や工芸品が並べられています。
品評会が行われ、入賞した出品物には金銀等のリボンが付けられています。

戸数の少ない大賀は、今年も高沢入集落との連合チームです。
ところが何と、4種目中2種目(輪投げ、玉入れ)で優勝!。
子ども達のパン食い競争(子どもが少ないので大人も参加)もあり、会場は大いに盛り上がりました。

11時半頃に全ての競技が終了。
閉会式では成績発表、品評会の受賞者の表彰に続き、全員で万歳三唱。

続いて、品評会に出品された野菜の競りが始まりました。
多くは100~300円程度ですが、箱入りの見事な山芋は5000円で落札されました。私は里芋、落花生、いんげん、それに竹とんぼをゲット!

その後は、恒例の豚汁とおむすびが配られ、集落毎に円く座って頂きました。
地区の人口は減少、高齢化も進み、品評会に出品する野菜等の数も減っているそうですが、参加されている方々の暖かい笑顔が印象に残りました。

今年のラボの行事は今回が最後です。
12時30分頃、地元の皆様にお礼を言い、来年の再会を期して失礼しました。
紅葉を眺めながら、時々は居眠りしながら(1人で運転して下さったみずかさん、すみません)、車は一路東京へ。
上里 SA でコーヒー休憩。関越道はそれなりに渋滞。空には丸い月(翌日がメルマガ配信日!であることを思い出しました)。

18時過ぎに高田馬場に到着。
ラボのメンバー2人が、お米を受け取るために待っておられました。
帰宅すると、入れ違いで大賀からお米が届いていました。
食用菊と梅干し、それに藁で結わえた丁寧な手紙が添えられています(食用菊は甘酢漬けにしてみました)。

送って下さったのは櫻子ちゃんのご両親(ご主人は杜氏修行中、奥様はパタンナーにして起業家)。
今年も大賀を光景や皆様のことを思い浮かべながら、有り難く頂きます。
来年の再訪が楽しみです。