【ブログ】浜通りの農家を巡るスタディツアー2019(2)

2019年11月24日(日)は「浜通りの農家を巡るスタディツアー2019」の2日目。

 ようやく7時頃に布団を出ると、皆さん既に起床済みで、亮さん達は朝食の準備中。
 小雨の中、少しZICCAの回りを歩いてみました。
 豊かで穏やかな里山の景色が拡がっています。 2016年まで5年間にわたって全村避難していたとは、想像もできません。

朝食は、最近発売された評判の「浜鶏(はまど~り)ラーメン」に、双葉未来学園の高校生がプロデュースした鮭のフレーク。
 それに楢葉町の松本広行さんが持ってきて下さったコシヒカリ。

片付けて9時前に出発。
 まずは葛尾大尽址を見学。
 かつての名主の館の跡で、見事な 石垣等が遺されています。この地が豊かであったことが偲ばれます。

 地面があたかも耕されているように見えるのは、イノシシの仕業とのこと。

近隣の集会所に移動し、米農家の松本邦久さんからお話を伺うことに。下枝さんも合 流して下さいました。

 下枝さんが主宰する(一社)葛力創造舎では様々なイベントを企画・実施されていますが、この集会所の前にある松本邦久さんの田んぼでは都会の学生達との交流イベントをされているそうで、ふんどし姿での田植えは大盛り上がり(!)だったとのこと。
 「祝言式」も開催されたそうです。

一方、この地域では農業の担い手不足や耕作放棄地の増加は深刻という話も伺いました。
 しかし、 これらは日本全国の農山村に共通に見られる課題で、福島・浜通りでは原発事故により、課題が先鋭化したということのようです。

 浜通りのなかでも特に小さな葛尾村における取組みは、全国のモデルになりうるものです。これからも期待しな がら注視していきたいと思いました。

葛尾村復興交流館・あぜりあへ。
 外観、内装とも木材を多用した快適な建物で、取り 壊された古民家の見事な梁なども利用されています。
 コーヒーを頂きながら、職員の方から葛尾村の復興の現状等について話を伺いました。

田村市船引地区に向います。
 前夜、羊肉を持ってきて下さった吉田さんご夫妻が運営されている「アニマルフォレストうつしの森」を訪ねました。山合いの細い道を辿っていった先に、何棟ものビニールハウスがありました。

ハウスの中では、羊のほか、烏骨鶏、ウサギなどが飼われています。触れあいコーナーもありました。
 瓜坊の頃に捕獲したイノシシは、すっかり人間に馴れています。

この日は、「ひつじ供養祭」の当日でした。
 日頃より頂いているお肉に、感謝を込めて供養する会とのことで、立派な祭壇が設えられ、地元の方三々五々集まってこられます。

生憎と時間の都合で開会式の前に失礼し、川内村に向いました。
 
 「いわなの郷」に到着したのは13時頃。
 ここでイワナの塩焼きやフライを頂きながら(大振り、臭みは全く無く美味!)、振り返りの会。
 今年は昨年に比べて農家との交流が少なかったこと、東京からの参加者が少なかったこと等が課題として上げられました。

ここで、楢葉・富岡に帰られる亮さん、松本広行さんとお別れ。

 残りの4名は浅見さんの運転で郡山に向います。時おり強い雨が落ちてきます。今年のツアーは天候には恵まれませんでした。

 途中、三春町のえすぺりに立ち寄り。
 有機農家の方が運営されている野菜やパンなどの加工品の直売所で、レストランも併設されています。
 以前に福島オルガン堂(東京・下北沢)で働いておられ、ここに嫁入りされた方とも数年ぶりで再開。8ヶ月の女の子を抱いておられました。

16時に郡山駅に到着。
 浅見さん父娘はさらに2時間近くかけて会津・喜多方市山都まで帰られます。今回もお世話になりました。

 初日に行けなかった安積艮斎記念館を訪ねようと思ったのですが、あいにくと16時で閉館とのこと。やまびこの自由席に飛び乗りました(座れました)。

 浜通り、福島の姿は変わりつつあります。その実態を垣間見ることのできるこのツアーは、非常に貴重なものです。
 主催者の浅見さん、現地コーディネーターの亮さん、多くの皆様、今回もお世話になり有難うございました。来年も楽しみにしています。