【ブログ】第9回マチモノ樹木勉強会

2019年11月30日(土)は快晴。風もありません。
 小田急線・成城学園前駅からバス通りを南へ徒歩15分ほど。やがて下 り坂になり、住宅地の間に緑地が見えてきました。

この成城三丁目緑地は、国分寺崖線に面し、戦前は皇室の喜多見御料林、戦後は林野庁が管轄していましたが、1994 年の都市計画策定に伴い世田谷区が緑地として整備して いるそうです。
 青空をバックに見事な富士の姿も望めました。

この日9時半から開催されたのは、第9回マチモノ樹木勉強会
 マチモノ(街の木ものづくりネットワーク)とは、街の木を活かし周りに住む人々との間の多様なチャンネルづくり(製材ワークショップ、木工ワークショップ、樹木カルテづくり等)に取り組んでいる一般社団法人。

 その活動の一環として、1年間を通してこの地で緑地を「定点観測」しており、以前から気になっていたのですが、今年の最終回にようやく参加できました。

事務局のヨコヤマさんが、マチモノのパンフレット、緑地の見取り図とともに、樹木を見分けるポイントを書いた資料を下さいました。
 「葉っぱに注目」とのこと。縁のかたち、葉脈、色(裏も)、手触り(ザラザラ、ツルツル?)など。

 誰かの解説を聞くのではなく、自ら観察し、触れ、匂いを感じるなど、五感をフルに使う勉強会とのことです。

この日の参加者は4名。近くにあった樹木から、1本ずつ観察が始まりました。
 残り少なくなった葉をみて、図鑑と見比べていきます。幹の色や形状も参考にします。

 ケヤキ、ムクノキ、イヌシデ、マテバシイ、トウカエデ、シラカシ、クヌギ・・・。
 本当にたくさんの種類があります。

2月の第1回の時は葉はほとんど落ちていて、樹種の確認も困難だったとのこと。
 それが次第に芽吹き、葉を茂らせ、樹によっては花を咲かせて実を付けるのを、季節の移り変わりとともに観察するうち、多くの樹の種類を確認することができたそうです。

 それでも分からないものは、マチモノ代表の湧口さん(一級建築士、木工家)が正解を教えて下さいます。
 その材としての特色・用途なども解説して下さいました。

ガタマ、ネズミモチなど冬芽を付けている木もあります。 色鮮やかな紫色は、コムラサキシキブ。

 中には虫食いのある葉も。虫によって食べ方(食べた後の形)も様々です。

国分寺崖線は相当の高低差があります。
 下っていくと木の橋があり、湧水の清流がありました。カブトムシなどもいるそうです。

アカメ、シロタモ、ニワトコ、ヌルデ、ヒメシャラ、エンジュ・・・。
 見上げると、冬の青空に樹々の梢が溶け込むようです。

 坂を下りた先はマンションになっていました。色鮮やかな紅葉も。

気がつくと、予定の12時半を回っています。
 ヨコヤマさんが「1年間見守ってきたから、樹々が子どものようにも感じる」と話しておられたのが印象的でした。

 勉強会は来年も継続されるそうです。
 また、12月14日(土)には、東京・世田谷区でマチモノ秋の収穫祭が開催されます。街の木、街の自然の恵みに「食」という面から楽しもうというイベントとのこと。
 マチモノの活動に関心持たれた方は、顔を出されてみてはいかがでしょうか。

 午後は、東京駅から皇居東御苑へ。すごい人の波です。

大嘗祭(だいじょうさい)の舞台となった大嘗宮(だいじょうきゅう)の一般参観が、11月21日から12月8日の間、行われています。
 大変な人出でしたが、ほとんど渋滞や待ち時間はありませんでした。

 悠紀殿(ゆきでん)、主基殿(すきでん)など約 30の殿舎は全て木造。
 木は、伝統的に私たちの身近なところにあったのです。