【ブログ】奥沢ブッククラブ第50回 「マチネの終わりに」

2019年12月9日(月)の終業後は、イルミネーションに彩られた東京・自由が丘へ。
 コミュニティスペース・シェア奥沢のドアにもリースが飾られていました。

この日開催された「奥沢ブッククラブ」は、何と50回目とのこと(私は6/10(第45回)以来の参加です)。
 今回は年末恒例の持ち寄り会・本の交換会です。

 私は途中で駅前のスーパーで稲荷寿司を買ってきたのですが、見事にかぶってしまいました。

 山形の日本酒を差し入れて下さった方も。6月の山形県沖地震で大きな被害を受けた酒蔵を応援するものとのこと(美味、ご馳走様でした)。

食事が一段落したところで、この日の課題本である平野啓一郎『マチネの終わりに』 について感想等をシェア。

 まず、全編を貫く「未来は常に過去を変えている」というテーマが話題に。「《ヴェニスに死す》症候群」(中高年になって突然、破滅的な行動に出ること)という言葉が印象に残ったとする人も多数。
 最後の場面、5年半ぶりに再会した後でから2人はどうなったのかが気になるといった感想。後に妻となるマネージャーの卑劣な行為には怒りの声も。

 作中に登場する多くの曲をユーチューブで聴きながら読んでいたため、なかなか進まなかったという方も。
 これは私も全く同じでした。活字だけでは分かりませんが、名曲揃いです。

続いて本の交換会。
 参加者が持ち寄った本が丸テーブルに並べられ、各自、気に入ったものを手にとっていきます。

 希望者多数の場合はジャンケン。
 包装され、リボンがかけられた2冊の文庫本は、内容は分かりませんが5人が競合。何と、今までほとんどジャンケンで勝った経験のなかった私がゲット!

 テーブルに戻って包装を解いてみると、ベストセラーのミステリー『カササギ殺人事件』の上下。選んで下さったUさん、有り難うございます。
 お正月休みの楽しみができました。

それぞれの手に渡った本について、持ってこられた方がオススメの言葉。
 映画化もされたマルタン・グレイ『愛する者の名において』、声優・エッセイストの池澤春菜『はじめましての中国茶』養老孟司『嫌いなことから、人は学ぶ』

 久保俊治『羆撃ち』は来春、関西の大学に進学する男性のお勧め本。
 池田晶子『14歳の君へ』小野常徳『発禁図書館』を推薦された方も。

人気の養老孟司さんからはもう1冊『逆さメガネ』 。 氏田雄介/カズキ ヒロ『君の前で息を止めると呼吸ができなくなってしまうよ』は「当たり前ポエム」。
 内田百閒『贋作 我輩は猫である』を持ってこられた方も。

沢木耕太郎『深夜特急』、仕事のスピード・質が劇的に上がるという小西利行『すごいメモ。』 ガルシン『短篇集』、 松田亜有子『クラシック名曲全史』
 様々なジャンルの本が交換されました。

 交換本とは別に、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を推薦された方。
 私からは新井和宏/高橋 博之『共感資本社会を生きる』を紹介させて頂きました。

最後は恒例のUさんによる絵本の朗読。

 この日はエマ・ヴィルケ『うっかりおじさん』を読んで下さ いました。ばしっと決めて外出しようとする紳士。ところが・・・。
 子ども達にも人気の絵本だそうです。

これで今年のブッククラブは終了。

 年明けの第51回は1月13日(月・祝)の予定。
 課題本は、『マチネのおわりに』にも「《ヴェニスに死す》症候群」として登場したトオマス・マン『ヴェニスに死す』に、比較的すんなりと決まりました。

 今年も多くの本にめぐりあうことができました。奥沢ブッククラブのお陰でもあります。
 主催者のシゲさん、参加者の皆様、有難うございました。