【オーシャン・カレント】生産者とつながるということ

食料の安定供給については様々な制度・事業等により確保されているとはいえ、生活者としては、生活の基盤である「食」に対する安心感をより強く得たいと思うのは当然のことです。
 私は、必要な食料の全てではなく一部でも、生産者と直接つながることによって調達することがで、大きな安心感を得ることにつながると考えます。
 産消提携や CSA(Community Supported Agriculture)と呼ばれる取組みが、生協を含め各地で様々に行われていますが、ここでは私自身が利用させて頂いているものを事例的に紹介させていただきます。

 ひとつはポケットマルシェ(ポケマル)。作る人と食べる人を繋ぐオンラインマルシェです。
 スマホやパソコンのサイトを開くと、旬の食べものが生産者の情報等とともにずらりと並んでおり、そのなかから食べたいものを探し、もし気になること(美味しい食べ方など)があれば生産者さんに直接質問することもできます。
 また、昨年の水害の被災者や、新型コロナ禍で取引が減ってしまった生産者をサポートするといった活動にも熱心に取り組んでいます。
 既存のスーパー等の大量・広域流通システム(引き続き主流であると思われます)のオルタナティブな食品流通の試みとして、リスク分散の観点からも注目されますが、何より、生産者と直接やり取りができる「楽しさ」が一番のウリです。
 → https://poke-m.com/ 

 もうひとつは、US.Peace FARMの「お野菜届け隊」。
 有機農業のメッカとしても有名な埼玉・小川町で新規就農された生産者の方たちの野菜を中心に、月2回、定期的に宅配されるというものです。固定種や在来種にこだわっている生産者の方もいらっしゃいます。
 会費は事前に一括払い。これは生産者の経営安定だけではなく、消費者にとっても定額で確実に野菜を入手できるというメリットがあります(不作等のリスクは生産者、消費者双方でシェアします)。見学会など生産者を訪ねる機会もあります。
 現在、2020年5~10月期分について新規募集中です。
 → https://farm.usp-lab.com/delivery_2020apr.html

 私自身も全ての食料をこれらを通じて入手している訳ではありません。
 しかし、単に「消費」するだけではなく、生産者や事業者の方々とつながってリスクをシェアすることが、近隣または国内での食料の生産・供給基盤(農地や担い手)の確保に貢献すると思うと、より大きな安心感につながっていくと思います。

出所:
 F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
 https://www.mag2.com/m/0001579997.html
 No.190、2020年4月7日(火)[和暦 弥生十五日]

 (過去の記事はこちらに掲載)
 https://food-mileage.jp/category/pr/