【豆知識】人口密度と感染者数の相関

新型コロナウイルス禍には、未だ収束の兆しは見られません。
 厚生労働省の報道発表資料(2020年4月21日)によると、世界(国外)の感染者数は243万人で16.9万人が死亡。
 国内においては11,119人が感染し186名が死亡しています(空港検疫、チャーター便帰国者を含む。他にクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の関係で712人が感染、13人が死亡)。

 国内における感染者数については、地域的に大きな偏りがあります。
 都道府県別にみると、東京における感染者数は3,197人と、全体(空港検疫、チャーター便帰国者を除く10,974人)の実に29.1%に相当し、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫、愛知、福岡といった大都市圏の合計では4分の3近く(73.8%)を占めているのです。

 リンク先の図191は、この都道府県別の感染者数(2020年4月21日現在)と、国勢調査による人口密度(2015年10月1日現在)のデータをプロットしたものです。

 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/04/191_kansensha.pdf

 これによると、感染者数が突出している東京は、人口密度においても群を抜いていることが分かります。また、人口密度の硬い都道府県ほど感染者数も多いという相関が伺われます。

 厚生労働省は、集団感染の共通点は「換気が悪く」「人が密に集まって過ごすような空間」「不特定多数の人が接触するおそれが高い場所」であるとし、いわゆる「三密」の場所を避けるように国民に訴えています。

 東京への人口の一極集中については、これまでも大規模災害時のセキュリティ、都心の過密による生活・通勤環境の悪化、過疎により農地や森林の保全が困難になる地域の増加など様々な問題点が指摘されてきましたが、今回のコロナウイルス禍は、人口一極集中の新たなリスクを顕在化させたとも考えられるのです。

[資料]
厚生労働省発表資料(2020年4月21日)
 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10965.html
総務省「国勢調査」(2015年10月1日現在)
 https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2015/

出所:
F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
 https://www.mag2.com/m/0001579997.html
No.191、2020年4月23日(木)[和暦 卯月朔日]   
(過去の記事はこちらに掲載)
 https://food-mileage.jp/category/mame/