現在、広く使われている太陽暦(グレゴリオ暦)は、1582年にローマ教皇・グレゴリウス13世が制定したものです。
世界共通の時間軸として合理的で便利ですが、一方で日付と曜日だけが意識されるなど、自然界のサイクルを感じにくいものとなっています。
これに対して和暦は、太陽と月の周期を併用した太陰太陽暦で、太陽のリズムで二十四節季等の季節が、月のリズムで日にちが分かる仕組みになっています。
例えば各月の1日(朔日)は必ず新月、15日はほぼ満月で、夜空を見上げれば大体の日にちが分かります(個人的には月が細ってくると、あるいは満ちてくるとメルマガ原稿を作成しなければと焦ります)。
月の満ち欠けは12か月で約354日であるため、一太陽年(365日)との差を調整するため、和暦では数年に一度、閏月を入れ、1年が13か月になるのです。もともと日本人にとって暦(時の流れ)とは、一定のものでも直線的でもないのです。
日本人は長い間、月の満ち欠けと季節の変化という異なる二重の時間軸を感じながら生活してきました。月の満ち欠けも季節の変わり目も私たちの暮らしに密接に関わっていたことは、歳時記や農事暦からも明らかです。
[参考]
本稿は高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて頂きました。
https://www.lunaworks.jp/
出所:
F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
https://www.mag2.com/m/0001579997.html
No.193、2020年5月23日(土)[和暦 閏卯月朔日]
(過去の記事はこちらに掲載)
https://food-mileage.jp/category/pr/