
今日は土用の丑の日(次節参照)。日本の食文化ともかかわりの深いウナギですが、その供給量は近年大幅に減少しています。
リンク先の図197は、ウナギの国内供給量(国産及び輸入)と価格の推移を示したものです。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/07/197_unagi.pdf
これによると、ウナギの国内供給量は1980年代半ば以降から増加し、2000年には史上最多の約16万トンとなりました。8割以上は輸入で、特に中国における日本向けのヨーロッパウナギの養殖に支えられたものでした。
その後、供給量は急速かつ大幅な減少に転じ、最近は5万トン程度で推移しています。
この背景には世界的な資源問題の顕在化があります。
ヨーロッパウナギは2007年にワシントン条約附属書掲載が決定し、2019年以降EUは輸出を禁止しています。また、国内では2014年以降ウナギ養殖業は届出が義務化され、池入数量の上限も設定されています。
ちなみに今漁期(2019年11月〜20202年4月)におけるシラスウナギの国内採捕量は、昨年の4.6倍に増加しています。
このような供給状況を受け、国内の小売価格は2000年代に入ってから「うなぎ登り」に急騰しています。
後述するように、ウナギは日本(及び世界)の食文化と密接に結びついている一方で、密輸、密漁など不適切な流通が横行しているとの指摘もあります。
ウナギの適切な資源管理は、持続可能な社会を目指す中での試金石と位置付けられるかも知れません。
[資料]
水産庁HP「ウナギに関する情報」
https://www.jfa.maff.go.jp/j/saibai/unagi.html
総務省「消費者物価指数」
https://www.stat.go.jp/data/cpi/historic.html#zenkoku
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【出所】
F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
https://www.mag2.com/m/0001579997.html
No.197、2020年7月21日(火)[和暦 水無月朔日]
(過去の記事はこちらに掲載)
https://food-mileage.jp/category/pr/
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