過去数十年の間、世界の経済活動は地球的規模に拡大してきました(グローバリゼーション)。
リンク先の図198は、世界の貿易額(輸出額)の推移と、2020年の見通しを示したものです。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/08/198_trade.pdf
IMF(国際通貨基金)のデータによると、1970年代頃から増大し始めた世界の貿易額は、次第にペースを早め、2000年度に入ってから加速度的に急増しました。
2008〜9年の世界金融危機等から減少した年はあるものの、現在の世界の貿易総額は20兆ドル近くと、1950年代の200倍以上、1990年代に比べても4倍以上という巨大なレベルにあります。
なお、このような貿易(及び人の移動)の増大は地球環境にも大きな負荷を与えており、IEA(国際エネルギー機関)によると、世界の二酸化炭素排出量の25%(2017年)は運輸によるものとのことです。
さて、今回の新型コロナウイルスのグローバルな感染拡大は、各国のロックダウン政策もあり、世界貿易に大きな影響を及ぼしています。WTO(世界貿易機関)の4月時点の予測によると、2020年の世界貿易の減少率は13〜32%と、世界金融危機を超えるものと見通しています。
(もっともWTOは2021年以降は不透明ながら回復すると見通しており、6月の新しいプレスリリースでは「4月の悲観シナリオに達する可能性は低下した」との見方を示しています。)
地球的な環境制約、グローバル金融システムの脆弱さに加え、今回のコロナ禍により、右肩上がりで進展してきたグローバリゼーションは、いよいよ頭打ちの状況となるのかも知れません。
[資料]
IMF “The International Financial Statistics”
https://data.imf.org/?sk=4c514d48-b6ba-49ed-8ab9-52b0c1a0179b
IEA“CO2 Emissions from Fuel Combustion”
https://www.iea.org/subscribe-to-data-services/co2-emissions-statistics
外務省HP「貿易統計・見通しに関するWTOプレスリリース(2020年4月8日)」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ecm/it/page25_001965.html