【オーシャン・カレント】個人からの社会変革(環境白書から)

出典:環境省『令和2年版 環境・循環型社会・生物多様性白書』 p.121

現在の世界は、気候変動、感染症の拡大などグローバルで複合的な危機の下にありますが、この危機の背景には、豊かな便利な生活を追い求めてきた私たち自身のライフスタイルがあります。
 2020年6月に公表された「令和2年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」は、「一人一人から始まる社会変革に向けた取組」と題した1章を設け、持続可能な未来のための望ましいライフスタイルについて考察しています。

 日本の温室効果ガス排出量の約6割は家庭から排出されていることから、日常生活の分野ごとに、具体的な取組みのヒントを提言しているのです。
 住まいについては、再生可能エネルギー由来の電気の購入や地域の木材等の利用により暮らしに循環を取り入れること、衣服についてはリユース・リサイクルやオーガニックコットンの利用等が重要としています。

 食については、地産地消、有機食品の選択、食品ロスの削減等により環境負荷を低減させていくことが重要としています。オーガニックタウン等の事例も紹介されています。
 また、フード・マイレージについても、地域内での経済循環を高め、地域の風土や文化を学ぶ食育にも寄与するものと評価しています。

 複雑化したグローバル危機の下、私たちは立ちすくみ、あるいは右往左往することなく、自らの主体的な選択を通じてライフスタイル・イノベーションを実現し、社会変革を促していくという姿勢が大切です。

[参考]
 環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書(環境省ホームページ)
  http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/