−レティシア・コロンバニ『三つ編み』(早川書房、2019/4/18)−
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作者はフランス・ボルドー生まれ。映画監督、女優、脚本家でもあるという多才な女性だそうです。
主人公は3人の女性。1人目はインドの不可触民であるスミタ。女性(妻)は男性(夫)の所有物とされ、人権どころか生命までも脅かされる状況のなか、夫と家を捨てて、幼い娘の手を引いて困難で長い旅に出ます。
2人目はイタリアのジュリア。毛髪加工工場を営んでいた父が事故で急逝、工場が多額の負債を抱えていたことも判明し、工場と従業員、自宅を守るために立ち上がります。
3人目はカナダのシングルマザーのサラ。敏腕弁護士として「ガラスの天井」を破り、正に所属する大手法律事務所のトップに上り詰めようとしていた矢先、突然、乳がんが発覚します。
女性であることによる苦難、運命に抗い、人生を戦う主人公の3人。それぞれ離れた場所、全く異なる境遇にある3人を結びつけ、救ったのは「髪」でした。人と人とをつなぎ、関係を編み上げるものは、食べものに限られている訳ではありません。
出所:
F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
No.201、2020年9月17日(木)[和暦 葉月朔日]
https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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