【豆知識】(改めて)フード・マイレージを考える意味

拙メルマガもお陰様で200号を超えたこともあり、改めてフード・マイレージについて紹介させて頂きます。
 フード・マイレージは、食料の輸送量(t)に輸送距離(km)を掛け合わせた数値(単位はt・km(トン・キロメートル))で、日本の輸入食料全体のフード・マイレージは約8.4千億 t・kmと、韓国・アメリカの3倍近くとなっています。
 また、輸入食料が日本の港に到着するまでに約17百万トンのCO2が排出されていると試算され、日本が輸入する食料の大量・長距離輸送は地球環境に相当の負荷を与えています。

地産地消は、新鮮で安心できる食材の入手、地域農業の活性化等の面で注目されていますが、さらに食料の輸送に伴うCO2を削減するという効果もあります。
 リンク先の図201は、東京・千代田区でブドウ1kgを消費する場合の、産地毎にフード(ブドウ)・マイレージと輸送に伴うCO2排出量を比較したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/09/201_FM.pdf

これによると、地産地消(東京・東村山産)の場合は、国産(山梨産)比べてフード・マイレージ及びCO2排出量は4分の1、輸入品(アメリカ産)に比べるとそれぞれ721分の1、115分の1に縮小されていることが分かります。

むろん、輸送距離だけでその食べものの「環境に対する優しさ」を計ることはできませんが、フード・マイレージは、私たちの食生活が地球環境問題とも関わっていることについて気づくヒントになります。
 さらに現在、コロナ禍のなかで、世界的に持続的な食のあり方について再検討され、新しい動きが出てきています(次項ではEUの字形を紹介します)。フード・マイレージは、食卓の上の食べものの由来(どこで、誰により、どのように作られ運ばれてきているか)を考えるきっかけにもなります。

[資料]
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
  https://food-mileage.jp/

 拙著『フード・マイレージ』(新版、2018年1月、日本評論社)
  https://www.nippyo.co.jp/shop/book/7625.html

出所:
 F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
 No.201、2020年9月17日(木)[和暦 葉月朔日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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  https://food-mileage.jp/category/mame/