【ブログ】緊急事態宣言の下で

2021年1月8日(金)に1都3県を対象に再発令された緊急事態宣言は、14日(木)には関西、中京圏等を含む1都2府7県に拡大。
 もともと再任用で週3日出勤(水~金)だった私も、当面、水、木は自宅でテレワークすることに。通勤しなくてよいのは有難いことながら、口頭であれば簡単な連絡でもメールと電話ではちょっと面倒なこともあります。

ということで、貴重な(?)出勤日である1月15日(金)の終業後は、久しぶりに東京・北品川へ。
 特に飲食店には大逆風が吹いていますが、様々な工夫をしながら頑張っているお店もたくさんあります。

炭火焼居酒屋・裏馬場(うらばんば)では、持ち帰り用の「お家で新年会セット」の販売を始めました。牛ランプステーキ、鶏タタキとアボガドの和ユッケ、らっきょの赤ワイン漬けなど。名物の鶏皮サラミは変わらずに絶品です。
 ボリュームもたっぷりで、大変美味しく頂きました。ご馳走様でした。

帰宅すると、MPRAESO代表の田口愛さんからクラウドファンディングのリターンが届いていました。チョコレート、カカオ豆、それにガーナのチョコレート工場への招待券(いつか行けるかな)。
 フェアトレードだけではなく、現地で組合や工場を立ち上げるなど「カカオ革命」を進めておられます。その柔軟な発想と行動に期待したいと思います。

 コロナ禍に関わらず、南北格差はグローバルリスクの一つであることに変わりはありません。

グローバルリスクと言えば、その最大のものは地球温暖化問題かも知れません。

 1月16日(土)の午後は、NPO法人 CSまちデザインの市民講座にオンライン参加。
 近藤惠津子理事長のあいさつに続き、榊田みどり理事(農業ジャーナリスト)のコーディネートによりスタートしたのは、「気温上昇が私たちの食べものを変える?」

 講演されたのは杉浦俊彦さん(国研・農研センター果樹茶業専門部門ユニット長)です。事前に詳しいレジュメと資料が送られてきています。(以下、文責・中田)

「気温上昇はすでに農業の現場に顕著な影響を及ぼしている。植物は温度に敏感で、果実の着色不良や日焼け、米の白未熟粒が増加している。露地野菜の収穫遅延と集中は価格変動の要因ともなっている。
 また、カメムシなど病害虫の種類は変化しながら北上しており、畜産では飼料摂取量の減により生産が減少し繁殖性も低下」

 「温暖化の被害を軽減するためには、栽培技術(遮光、環状剥皮、施肥管理等)、温暖化対応品種の利用、作物転換等による適応策がある。ただしコストや労力が負担となり、年によっては負の効果となる恐れもある。ブランドが品種転換を困難にしている面も」

 「日本の温室効果ガス排出量のうち農林水産分野のシェアは4%。世界では全体の4分の1を占めており、森林の農地転用が大きな排出源となっている」

 「気候変動適応法(2018)など法整備も進みつつある。農林水産分野についても排出削減を行うとともに、消費者としても食品選択(国産や地産地消)により排出削減に努める必要がある」

続いて質疑応答。
 私からの国内および世界での温室効果ガス排出量について細かな質問にも、時間がないなか丁寧に答えて下さいました。
 ただ、他の方の意見や感想を伺う時間が足らなかったのは残念でした。

新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの社会は大きな影響を受けています。不便を強いられ、楽しみもガマンさせられています。

 しかし大切なのはそれを嘆いたり、居直ったりするのではなく、これを好機として自らの社会のあり方や生活を見直すことではないでしょうか。自らのライフスタイルを見直すことは、実はグローバルリスクを軽減することにもつながるのです。

(コモンズHPより)

昨年12月に急逝された大江正章さんは、ご著書(残念ながらご遺稿となってしまいました。)『有機農業のチカラ』(2020.10、コモンズ)において主張されています。

 「新しい生活様式の大前提は、経済成長ばかりを追い求めないこと。見直すべきは都市型社会と過剰な便利さの追求であり、取り入れるべきは第一次産業の重視とさまざまなレベルにおける食の自給だ」
 遺して下さった言葉を、重く受け止めたいと思います。