【ブログ】2021年4月のしごと塾さいはら(山梨・上野原市)

山梨・上野原はJR中央線で東京・高尾から3駅。駅からバスで1時間ほど北に向かったところに西原(さいはら)地区があります。
 ここに有志で定期的に通い、地元のNPO等に協力頂いて手仕事などを学ぶ「しごと塾さいはら」が10年以上続いています。

昨年以降はコロナ禍の影響により活動は制約されていますが、現在はほぼ月に1回ほど、少人数で伺っています。

2021年4月4日(日)は雨になるとの予報でしたが、朝8時半頃に上野原駅に着いた時は青空も見えていました。
 みっきーさんの車に同乗させて頂き、西原に向かいます。
 桜や桃が満開。山は笑うかのような新緑。本来なら絶好の行楽シーズンです。

交流施設・羽置の里 びりゅう館に到着したのは9時20分頃。
 西原も桜や桃、スイセン等が満開。正に桃源郷です。

着替えなど準備を済ませ、徒歩5分ほどでいつも使わせて頂いている畑へ。
 地元でお世話になっている太郎さんが鍬を準備して下さっていました。じゃがいもを植え付ける場所に溝を切っていきます(地元では「さくる」「うなう」等と言います)。
 作業中も、原則、マスク着用です。

 並行して、隣りの小麦の区画の除草。厄介なスギナが毎年、増えてきているような。

やがて太郎さんが見えられました。
 神奈川県から移住され、自ら農業(やまはた農園)を営みつつ、地元のNPO法人さいはら等でも活躍されている方。
 この日は地区の水源地の清掃作業に参加されていたそうです。都会では蛇口をひねれば出る水ですが、ここでは住民が自ら水源を管理されているのです。

太郎さんが準備して下さった種芋は、男爵、キタアカリ、それに在来種のネガタと赤セイダの4種類。
 大ぶりな男爵とキタアカリは、へその部分から、なるべく芽を避けるように2分割し、断面に灰をまぶします。日光で干す方法もあるそうですが、断面が腐敗するのを避ける意味があるとのこと。

種芋の準備をしつつ、並行して20センチ程に伸びた小麦の施肥と土寄せを行います。
 ぼかし肥料を一つかみほど株に振りかけ、鍬を使って土を被せていきます。
 太郎さんが実演して手本を見せてくれます。

じゃがいも畑の方は、種芋を30センチほどの間隔で置き並べ、その間に牛糞たい肥を両手に一杯ほどたっぷりと入れていきます。さらに、たい肥置き場で完熟させた落ち葉等のたい肥を乗せていきます。
 そして鍬で土を被せていくのですが、緩やかな傾斜があるので、土はなるべく上の方に向かってかけるようにします。

 合理的な(疲れず効率的な)鍬の使い方など、太郎さんが指導して下さいます。

時おり小雨がぱらついたものの、12時過ぎには予定していた作業は終了。
 太郎さんからは「皆さん上手になって、効率よくできた」とのお褒め(?)の言葉。

びりゅう館に戻ります。
 鶴川沿いは見事な桜並木。花の向こうには西原のシンボル・丸山も望めます。

足元を見るとたくさんのつくし(スギナがはびこるはずです)。青と白のスミレなどの野草も。

 びりゅう館での昼食は、一般の方(レストラン)とは別の会議室で。名物のお蕎麦を頂きました。山菜の天ぷら、刺身こんにゃく、雑穀入りのコロッケ等も。
 ちなみに、びりゅう館での蕎麦打ち体験等は今も休止中とのことです。

13時30分頃に畑に戻ります。不穏な空模様で、時折り小雨がぱらつきます。
 午後は、畑を囲う塀を手直しすることに。

 再利用する杭に切り込みを入れ、くさびを挟み込んで掛矢(かけや、大きな木槌)で打つと、綺麗に縦に割れます。端の部分を鉈で削って尖らせ、畑の周囲に打ち込んでいきます。古くなったトタン板も交換。

 これで見た目もよく(割と地域の方が通る道沿いにあるとのこと)、獣害防止の効果もあります。西原でも近年、シカ、イノシシ、サル等の獣害が増えているそうです。

メンバーの一人が4年前に無くしたメガネが、たい肥の中から発見される(!)というハプニングも。
 結局、大雨に降られることもなく、15時頃にこの日のミッションは完了です。

 びりゅう館の会議室に戻って、振り返りと今後の予定などについて話し合い。。
 太郎さんは、以前は交流活動をさらに本格化する構想も持っておられたそうですが、コロナ禍により、今後の方向を模索中とのこと。

帰りもみっきーさんに上野原駅まで送って頂き(いつも有難うございます)、17時25分発の電車に。自宅のある東村山に到着した時には、強い雨になっていました。

翌日の夕飯のテーブルには、西原のワラビ、うど、つくし、それにジャガイモを使った「せいだのたまじ」等が並びました。ご飯は雑穀入りです。

 西原にはコンビニはありませんが、その代わりに、豊かな山菜など自然の恵みがあふれています。コロナ禍は、本当の豊かさは何かを私たちに改めて教えてくれているのかも知れません。