【豆知識】上昇する世界の食料価格

コロナ禍により経済活動が停滞する中で、最近、世界の食料価格が値上がりしています。
リンク先の図214は、FAO(国連食糧農業機関)が公表している食料価格指数(食肉、酪農品、穀物、植物油、砂糖の価格指数の平均)の推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/03/214_FAO.pdf

食料価格は、その生産が気象条件に左右されること、価格弾性値が小さいこと等から、工業製品等に比べて変動しやすいという特徴があります。特に2007年頃からは世界的な異常気象に加え、投機資金の流入もあって大きく上昇しました。
 その後は比較的落ち着いていましたが、2020年頃から再び上昇基調が顕著となっているのです。

2021年2月の食料価格指数は116と9か月連続で上昇し、2014年7月以来、6年7か月ぶりの高い水準となりました。特に穀物は125.7と上昇が顕著です。

これは、中国で飼料用トウモロコシや大豆に対する需要が高まる一方で、タイなど生産国の天候不順により供給不足の懸念が出ているためで、日本国内でも食用油や砂糖、配合飼料価格の値上げにつながっています。

食料供給(及びその生産資材)の大きな部分を輸入に依存している日本にとって、その安定供給は不可欠ですが、気候危機やスエズ運河での座礁事故等を含めて、脆弱性が高まっています。

[資料]
 FAO “Food Price Index”
 http://www.fao.org/worldfoodsituation/foodpricesindex/en/

出所:
 F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
 No.214、2021年3月27日(土)[和暦 如月十五日]
 https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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