【ブログ】都会(消費者)と地方(生産者)をつなぐ新しいカタチ

2021年も4月半ば。
 池江璃花子選手の復活、松山英樹選手のマスターズ優勝など明るい話題もありましたが、一方で新型コロナの感染拡大は止まりません。

 季節は移ります。
 4月12日(月)は自転車で都立狭山公園へ。かいぼりで綺麗になった宅部池(別名「たっちゃん池」には悲しい由来)の水面も若葉色です。

そのようななか、故郷・徳島の農家の友人がニンジンを送って下さいました。
 さっそく洗って皮をむいて、生でかじってみると、ニンジンらしい芳香と甘さが広がります。職場やご近所、友人にもお裾分けして喜ばれました。有難うございました。

4月17日(土)は雨模様。
 「不要不急」の移動は自粛を促されてはいるのですが、久しぶりに東京・大崎へ。

 ちょっと早めについたので近くを散策。
 参道に多くの猫がいるのは居木神社(いるぎ(猫が居る?))。創建年代は不明という歴史ある神社のようで、境内には居留木橋カボチャ(江戸東京野菜)の説明板も。
 幸い、雨は落ちてきません。

そして、11時過ぎに近代的なJR大崎駅南口へ。
 この日は大崎駅前マルシェ「おおさき二十四節気祭」の開催日(毎週、金・土開催)。12時からのオープンに向けて出店者の方々が準備中です。

そのなかに、なみへい合同会社の川野真理子さんの姿もありました。
 開店前したが、長野の「ごはんパン」などを求めさせて頂きました。

 地域の方たちが丁寧に作る農産物や加工品を、マルシェやネットショップ(「なみへい村の故郷便」)で販売しPRされている川野さん。自分が直接つながりのある生産者だけでは限界があるので、心ある生産者が作る良い産品があれば紹介してほしいと、具体的な提案を頂きました。
 大崎の会場に宅配便で送れば、後は川野さんが販売して下さるそうです。

 農村の生産者と都会の消費者を結ぶ「小さな小さな」(川野さん談)取組み。関心を持ちそうな方に紹介してみようと思います。

山手線、中央線を乗り継ぎ、西八王子駅に着いた頃には雨が落ちてきました。
 旧甲州街道沿いにある興岳寺の門前には「石坂弥次右衛門墓」の説明板。弥次右衛門は八王子千人同心の一人で、慶応4(1868)年3月に日光勤番となり新政府軍に降伏し、帰郷した当日夜に切腹したとのこと。

駅から10分ほどで到着したのは、今年から月1回オープンしている「巻き寿司やさん」。テイクアウト専門です。

 今月のテーマは「春ですよ♪ 新年度祝いの巻き」。岩手・大槌町の鹿肉のヒレカツやスジ肉の巻き寿司、桜と季節野菜の巻き寿司など。
 鹿肉の生産者である兼澤幸男さん(MOMIJI 株式会社、私もポケマルで求めさせて頂いたことがあります)については、オーナーの八幡名子さんが詳しくフェイスブックで紹介されています。
 店内にも掲示やパンフレットなど。

 八幡さんは「自分たちの食べるものを日々作って下さっている農家さん漁師さんに感謝しながら、生産者さんの想いを大切に巻き込み、多くの方に伝えていきたい」と仰っています。

当日の夕飯に、スジ肉のスパイシー巻き寿司と、桜と季節野菜の巻き寿司を頂きました。パッケージもおしゃれ、切った断面も美しく仕上げられています。
 ご馳走様でした!

 なお、次回の「巻き寿司やさん」は5月16日(日)12~15時の予定。八王子の伝統野菜「川口エンドウ」がテーマだそうです。

さて、17日(土)は小雨の中、14時過ぎに帰宅。
 この日13時30分過ぎから、農村計画学会のシンポジウムがオンライン開催されていました
(冒頭部分は帰宅途中の電車の中でもスマホで視聴。こういう点ではオンラインは便利です)。

帰宅後、さっそくスマホをテレビの大画面につないで視聴の続き。
 シンポジウムのテーマは「コロナ禍における農山漁村地域とウィズコロナの農村計画」。
 新型コロナウイルス感染症については、ともすれば都市部を中心に議論されがち(「密」、ロックダウン等)ですが、都市農村交流活動を含め、農村地域にも様々な影響を及ぼしているようです。
 熊本地震の避難所の様子や、島しょ部におけるパンデミックの状況等についても報告がありました。

大和田順子さん(今春から同志社大学教授)は、「with コロナ期における都市農村交流活動(福島県いわき市「天空の里山」の事例」と題して報告。

 2020年度は首都圏など市外からの参加者は大きく減少した一方で市内からの参加者が増えたこと、会員組織を作り野菜ボックスの通販が行われたこと、首都圏の大学のゼミ(留学生など)による動画制作・配信が行われたこと等が紹介されました。

コロナ禍は、首都圏からのボランティアバスが運行できなくなるなど大きな影響を及ぼしましたが、一方で、新しいスタイルで人と人とをつなぐ取組みが始まる機会ともなったようです。

 私自身も大和田先生にお誘いいただき、いわき市や広野町に何度もお邪魔していることから、とりわけ興味深くお話を伺うことができました。 

注:左は当日の大和田先生の資料より。

続いて19日(月)の夕刻は、やはり大和田順子先生が登壇される(オンラインですが)SDGsオンラインセミナーを視聴。ロハスを日本に紹介された第一人者である大和田さんによる、個人的な経験も踏まえた興味深い内容です。

 「SDGsは大衆のアヘン」と断じるベストセラーが(なぜか)もてはやされていますが、学生さんたちとも交流されている大和田さんの実感としては、若い人たちは真剣に考え、あるいは心を痛め、実践されている方も多いとのこと。
 この日も貴重なお話を伺うことができました。教育という新たな場における益々のご活躍に期待したいと思います。

ところで17日(土)の学会の裏番組(?)では、満を持して登板した田中将大が復帰初戦を飾れず、中山競馬場ではジャンプ界の絶対王者が5着に敗退。
 コロナに目を奪われている間も、確実に時間は流れ、世の中は変わりつつあるようです。