【ブログ】「食と農の市民談話会」が始まります(6/8~、全6回)。

2021年6月から月1回のペースで、オンラインによる「食と農の市民談話会」(全6回)が開催されます(NPO市民科学研究室 主催)。

現在、日本の食や農は多くの課題を抱えています。
 -例えば、栄養バランスの崩れ、食への不安の高まり、食品ロスの増加、食料自給率の低下、担い手の減少と高齢化、荒廃農地の増加、中山間地域等における集落の消滅等・・・。

 これらにはそれぞれ原因がありますが、共通する背景として、食(食卓)と農(生産現場)との間の距離が離れてしまっていることがあります。
 消費者には産地や生産者の姿が見えにくくなったことから、食べものは単にお金を出せば買える「商品」でしかなくなった結果、食べものを大切にし、生産者を敬い、あるいは食べものをもたらしてくれている自然や環境を大切にしようという気持ちが薄れてきているのはないでしょうか。

 離れてしまった食と農の間を再び縮め、今や圧倒的大多数となった都市に住む消費者が、食や農に関わる問題を自分ゴトとして捉えられるようになることが大切と考えます。
 この本談話会は、そのきっかけ作りの一つの試みです。
チラシはこちら

スケジュール(和暦の朔日に近い火曜日)及び話題提供を頂く講師の方々は、次の通りです。

(意図した訳ではありませんが、結果として女性ばかりとなりました。食べものや命については、女性の方が意識も感性も高いのかも知れません)
(写真はそれぞれの方のFBページ等から借用しました)

第1回 6月 8日(火)
「1億農ライフ~都市のわたし達による食の革命」(仮題)
 小谷あゆみさん(農ジャーナリスト、ベジアナ)

NHK等でレギュラー番組も持っておられる「野菜をつくるフリーアナウンサー」(ベジアナ)。全国の農業・農村を訪ね歩き、自身も世田谷の体験農園での農ライフを、動画やSNSで発信するなど農の多面的な価値を伝えておられます。

第2回 7月13日(火)
「私が帰還困難区域で牛を飼う理由」(仮題)
 谷さつきさん(もーもーガーデン、福島・大熊町)

東電福島第一原発事故により帰還困難区域となった地域内に放置された牛たちを、地域の方々の協力を得つつ、個人で牧場を設置して飼養し、地域(ふるさと)の景観保全等にも取り組まれています。

第3回 8月10日(火)
「現場から見える日本の食、農の課題」(仮題)
 榊田みどりさん(農業ジャーナリスト)

一次産業の現場を自ら足で歩いて取材し発信されている農業ジャーナリストの方(農政ジャーナリストではありません)。日本の農山村の現状や農政の課題等について、取材経験等に根ざした深い見識をお持ちです。

第4回 9月7日(火)
「市民協働による関係人口づくりを通じた持続可能な社会づくり」(仮題)
 大和田順子さん(同志社大学ソーシャル・イノベーションコース教授)

「ロハス」という言葉を最初に日本に紹介された方で、福島を始め日本各地の農山村を訪ね、関係人口づくり等を実践、調査研究されています。元世界農業遺産等専門家会議委員、日本ソーシャル・イノベーション学会理事、地域力創造アドバイザー(総務省)。今春から同志社大教授(京都)。

第5回 10月5日(火)
「私がお寿司に巻き込んでいるもの」(仮題)
 八幡名子さん(巻き寿司やさん、東京・八王子)

本職(映像作家)のかたわら、本年1月から毎月1日だけのテイクアウト専門「巻き寿司やさん」を開店。『食べる通信』や『ポケットマルシェ』を通じて知り合った生産者の食材を愛を込めて巻き込んでおられます。

第6回 11月 9日(火)
「食と資本主義の歴史ー人も自然も壊さない経済とは?」
 平賀 緑さん(京都橘大学准教授)

金融機関等勤務、京都・丹波での「田舎暮らし」を実践しながらの市民運動等を経た後に、ロンドン市立大学修士、京都大学博士(経済学)を取得。今春から京都橘大学。
 博士論文を基にした『植物油の政治経済学』は、日本の食が戦前から資本主義に包摂されてきた構造を描いた力作です。

====================================

以上のように、それぞれの分野で活躍されている錚々たる方々に話題提供を頂けることになりました(ちなみに皆様、ボランティアです)。

 Zoomですので遠隔地からでも参加できます。関心のある回だけの参加、あるいは動画の視聴だけでも可能です(1回500円)。
 質疑応答や意見交換も行いますので、多くの方のご参加をお待ちしています。