【豆知識】畜産物の自給率の推移

2018年度の畜産物の品目別自給率 (重量ベース) は、牛肉35%、豚肉49%、鶏肉64%、鶏卵96%、牛乳・乳製品59%等と比較的高くなっていますが、飼料自給率を考慮すると、それぞれ9%、6%、8%、12%、25%という非常に低い数値となります。
 これは日本の畜産が輸入飼料によって支えられているためで、飼料自給率(可消化養分ベース)は25%に留まっています。
 リンク先の図221は、畜産物等の自給率の推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/07/221_jikyu.pdf

飼料自給率を考慮した畜産物の自給率(棒グラフの緑色の部分)は、いずれの品目についても低下傾向で推移しています。
 日本の全体の総合食料自給率が、生産額ベースで66%となっているのに対して供給熱量 (カロリー) ベースでは38%という水準に留まっているのは、飼料の大部分を輸入(アメリカ産トウモロコシ等)に依存しているためなのです。
 なお、牛については牧草等で育つことから、豚や鶏のように輸入穀物に依存する必要はないのですが、現実に放牧されている(牧草など粗飼料主体で飼養されている)頭数の割合は、乳用牛 (酪農) 20%、肉用牛 (繁殖) 17%に留まっています。

輸入飼料については産地の気象条件のほか、輸送費や為替レート変動の影響を受けるとともに、新興国等の需要が増加していることもあって、飼料の安定供給のためには、国内生産の拡大 (放牧の推進、食品加工残さ等の未利用資源や飼料用米の利活用の拡大等) が課題となっています。

[資料]
 農林水産省「食料需給表」
 https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/fbs/index.html
 農林水産書生産局畜産部飼料課「公共牧場・放牧をめぐる情勢」
 https://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/shiryo/houboku/attach/pdf/houboku-36.pdf

出所:
 F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
 No.221、2021年7月10日(土)[和暦 水無月朔日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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