去る8月9日、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次評価報告書のうち第1作業部会の報告(自然科学的根拠)が公表されました。
8年ぶりとなった今回の報告書の内容は、これまでの方向性と大きく変わらないものの、その方向性がより確実なものとなったと分析しています。
例えば今回は、20世紀後半以降の温暖化の主な原因は人間活動(人為起源)にあることを「疑う余地がない」と言い切っています。
2001年報告(第3次)では「高い」、2007年(第4次)では「非常に高い」、2013年(第5次)では「極めて高い」とされていたのが、今回は確率論的な不確実性の表現でなくなっているのです。
また、最近の気候の変化の規模は、何世紀も何千年もの間、例のなかったものであるとし、世界各地で極端現象(熱波、大雨、干ばつ等)を招いているとしています。
ところで地球温暖化については現在も「懐疑論」が絶えませんが、国立環境研・江守正多先生は「IPCC報告書は包括性、厳密性、公開性の面で『半端ない』信頼性の高いもの」であるとし、「やるべきことは変わらないが、さらに強い決意で取り組んでいく必要がある」としています。
[資料]
環境省報道発表資料「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書第I作業部会報告書(自然科学的根拠)の公表について」(2021.8/9)
http://www.env.go.jp/press/109850.html
国立環境研究所動画チャンネル「【速報版】IPCC執筆者が独自解説!気候変動 国連最新レポート」
https://www.youtube.com/watch?v=dLgGSI0G2SA
(これは石川・金沢市のNさんが情報提供して下さったものです。分かりやすい解説動画を有難うございました。)
出所:
F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
No.224、2021年8月22日(日)[和暦 文月十五日]
https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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