【豆知識】輸入物価指数が過去最大の上昇

日本銀行が9月13日(月)に発表した2021年8月の企業物価指数(速報)によると、円ベースの輸入物価指数は前年同月比29.2%上昇と、比較可能な1981年以降で最大の上昇率となりました。
 なお、輸出物価指数は伸びが鈍化しており、輸出物価を輸入物価で割った交易条件は低迷しています。

リンク先の図226は、2000年代に入って以降の輸入物価指数(円ベース)の推移(折れ線グラフ)と、21年8月の品目別の上昇率(速報、棒グラフ)を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2021/09/226_yunyu.pdf

21年8月の上昇率を品目別にみると、石油・石炭・天然ガスが73.8%、金属・同製品が56.3%と特に大きく上昇しています。
 また、一次産品についても、木材・木製品・林産物が50.7%、飲食料品・食料用農水産物が24.1%上昇しています。

輸入物価指数が上昇している要因は、主にコロナ禍からの世界的な需要回復に伴う国際的な商品価格上昇によるものですが、一次産品については、中国等の畜産物消費の増加(穀物の需要増)、高温乾燥等による作柄悪化等も影響しています。
 現に10月期の輸入小麦の政府売渡価格は19%引き上げられるなど、国内の食料品価格にも影響が出つつあります。

日本は一次産品の多くを輸入に依存していますが(食料自給率(カロリーベース)37%、木材自給率38%)、食料等の安定供給という課題が顕在化しつつあるのです。

[資料]
日本銀行「企業物価指数」
 https://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_2015/index.htm/