2021年10月4日(月)。緊急事態宣言等が解除された週初めは快晴。
早速(?)、夕方には友人たちとの会合がセットされたのですが、せっかく都心に行くなら夕方まで何か面白そうなものはないかとネットで探していたところ、発見しました。
かねて興味のあった東京の川を巡るクルーズをネット予約し、13時過ぎに東京・日本橋のたもとにある船着き場へ。
チケットを求めて整理券をもらいます。席は自由で、整理券の番号順に受付・乗船するとのこと。
この日選んだコースは、日本橋川から神田川、隅田川をぐるっと90分で回る神田川歴史周遊コース。
写真は受付で頂いた詳細なマップとうちわ。日本橋のたもとにある観光案内所で頂いたパンフレットなど。
定員40人ほどの船に乗船したのは、平日の昼間のせいか半数程度とゆったりです。カップルや数人のグループばかりで、一人で乗船しているは私だけ(寂)。
13時30分定刻に「出港」。抜けるような青空、強い日差し(しばらくは高速道路の天井がありますが)。
ベテラン女性ガイドの方が同乗し、詳しくもユーモアある解説で楽しませて下さいます。
さっそく日本橋をくぐります。欄干などの見事な彫刻も、下から見上げるといっそう趣があります。
常盤橋のたもとには、大河ドラマや新紙幣で注目の渋沢栄一の銅像。
錦橋、一ツ橋辺りまでは見事な石垣が遺っています。
江戸城外堀の石垣で、高速道路の橋脚建設のために一度崩した箇所は、元通りにびっちりとは積み直せなかったとのこと。
ボラか何かの魚が、明るい水面をしきりに跳ねています。
水道橋の辺りで神田川に合流して右折、下流に向かいます。
地名の由来となった水道を渡した江戸時代の橋の跡もあります。
後楽橋の橋脚の裏側には、第二次世界大戦時の空襲で空けられ穴が残っています。これは橋を渡っているだけでは見えません。
ちなみに日本橋にも焼夷弾の跡が黄色く残っているそうです。東京の川や橋には、歴史が刻み込まれているのです。
聖橋をくぐると、工事中のJR御茶ノ水駅。地下鉄・丸の内線も顔を出します。
浅草橋から柳橋へ。両岸には多くの屋形船が係留されています。この辺りから、静かだった水面にうねりが出てきました。
そして隅田川(大川)に到達。一気に視界が広がります。
晴れ渡った空の向こうには東京スカイツリー。高さ634メートルは「武蔵」の国に由来していことは良く知られていますが、実は川向こうの下総の国にあるのでこれはウソ、でも細かな文句は言わないとのこと(ガイドさん談)。
両国橋をくぐって下流に向かいます。風が強く波もあり、船が揺れます。
『おくのほそ道』の起点に当たる芭蕉庵史跡展望庭園には、大川を眺める松尾芭蕉の銅像。夕方になると、なんと回転(!)するそうです。
永代橋の手前を右に折れて、日本橋川に戻ります。
間もなく、乗船場と同じ終点の船着き場へ。日本橋の橋脚外側にあるレリーフも、船の上からだとすぐ近くから見ることができます。
ちょうど90分のクルーズ。
江戸がいかに水運に恵まれていた土地だったかなど、多くの気づきもあり、充実した経験でした。他にもコースがあるようで、また乗ってみたいと思います。
上陸して日本橋の道路元標のレプリカ(本物は道路の真ん中にあるそうです)を確認してから、半蔵門線で神保町へ。
神保町での最初のお目当ては、すぐご近所から移転したばかりの農文協・農業書センター。やや狭くなったようです。
安藤昌益の本を求めたところ、カウンターにおられた店長さんが「自分も昌益に関心があるから」と段ボールから雑誌やパンフレットを出して見せてくれ、後でコピーを郵送するからと言って下さいました。
思いもしなかったご厚意に感激です(人の厚意には、いつも甘えてしまいます)。
続いて TOBICHI へ。
糸井重里氏が主宰するウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」のお店兼ギャラリーでは、山口一郎さんの原画展が開催されていました。ネタの参考となりそうな本を購入すると、ブックカバーが2枚もおマケについてきました。お店の方も親切です。
すぐ隣には竹尾の見本帖本店。色鮮やかなサンプルのグラデーションが印象的です。
ここまでで16時40分。待ち合わせの18時までは少々時間があります。
暑い中を歩いたこともあって、すぐ向かいのあるテラス席でビール。美味!
やがて暗くなってきました。
一橋徳川家屋敷跡など史跡巡りをしつながら、この日の「メインイベント」の会場である47都道府県レストラン・箕と環へ。
人数や時間は限られているとはいえ、本当に久しぶりの気のおけない友人たちとの会食です。
店長さんが特別に準備して下さったコースは、いつもながら産地と生産者にこだわった逸品ばかり。
まず前菜は、三重・玉城町のまこもだけのきんぴら、岡山・瀬戸内海のタコの酢の物とレモンかまぼこ、千葉・旭町のトヨシロコロッケなど。
さらに海峡サーモンのホイル焼き(青森・むつ市)、芳寿豚と野菜のせいろ蒸し(佐賀・鹿島市)。〆には桜蕎麦(島根)。
久々に、地酒とともに、箕と環の美味しい料理を堪能できました。飲食店の多くはしばらく厳しい時期を過ごしてこられたと思います。ご馳走様でした。
翌10月5日(火)も好天。
東京・国分寺の胡桃堂喫茶店を訪ね、もちよりブックスの棚に拙著を預けさせて頂きました。
殿ヶ谷戸庭園では、紫と白のホトトギスなどの野草が咲き誇っています。
17時前に帰宅し、19時からの食と農の市民談話会の第5回の準備(結果、素晴らしい内容でした。これは改めて報告します)。