【オーシャン・カレント No.230】COP26と石炭火力発電

(外務省HPより。)

COPとは国連気候変動枠組み条約(1992年採択)の締約国会議(Conference of the Parties)のことで、1995年以降ほぼ毎年開催されてきました。26回目に当たる今年の会議は10月31日からイギリスのグラスゴーで開催され、会期を1日延長した11月13日に合意文書(「グラスゴー気候合意」)が採択されました。

同合意には、2100年の世界平均気温の上昇を産業革命前に比べて1.5度以内に抑える努力を追求することが盛り込まれる一方、最大の争点となった石炭火力発電については「段階的廃止(phase-out)」との当初案にインドや中国が反対し、「段階的に削減(phasedown)」と表現を弱めるかたちで合意されました。
 現地でのデモに参加したスウェーデンの活動家 グレタ・トゥンベリさん(18)がツイッターで「簡単に要約すると何とかかんとかというつまらないおしゃべり(blah, blah, blah)」と酷評したことも話題となりました。

ところで、すっかり悪役とされている石炭火力発電ですが、温室効果ガス排出量に偏重した対策には違和感を覚えます(肉食と似た面があります)。エネルギーの安定供給という観点も重要であり、石炭火力発電自体の技術も進歩しています。また、原子力発電に比べれば「倫理的」には優れていると思うのですが、いかがでしょうか。

[参考]
 外務省HP「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)等」
 https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ch/page24_001540.html

出所:
 F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
 No.230、2021年11月19日(金)[和暦 神無月十五日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
 (購読(無料)登録もこちら↑から)

 (バックナンバーはこちら↓に掲載)
  https://food-mileage.jp/category/pr/