中山間地域とは、農林水産統計の農業地域類型区分のうち「中間農業地域」と「山間農業地域」を合わせた地域を指します(詳細は下記「資料」参照)。
日本の人口、土地、農業生産等に占める中山間地域のシェアを示したものが、リンク先の図235です。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2022/02/235_Chusankan.pdf
これによると、人口のシェアこそ11%に留まっていますが、総土地面積の73%、林野面積では88%を占めています。また、農業の生産条件も不利とされる中山間地域ですが、耕地面積の41%、総農家数の44%、農業産出額でも44%を占めるなど、農業生産面でも重要な地位を占めています。
さらには、傾斜地の多い中山間地域で農林業が営まれ農地や林地が適切に管理されることによって、土壌侵食や土砂崩壊を防止するとともに、地域の伝統や文化の保全・継承する等の多面的機能が発揮されているのです。これら農業・農村が有する多面的機能については、故・宇沢弘文氏も著書(『人間の経済』ほか)の中で指摘している社会的共通資産そのものです。
これらの機能は、農業のみならず暮らしの面でも不利なことの多い中山間地域に人が定住することによって確保されているという事実を、都会に住む私たちは忘れてはならないと思います。
[資料]
農林水産省「農林水産業一口メモ」p.82
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/hitokuchi_memo/attach/pdf/index-15.pdf
出所:
F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
No.235、2022年2月1日(火)[和暦 睦月朔日]
https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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