【オーシャン・カレント】ウクライナの農業と日本

ウクライナの人口は4,159万人と日本の約3分の1であるのに対して、60.4万平方キロメートルと日本の約1.6倍の国土面積を有しており、しかもその約7割が農用地です(日本は約1割)。
 気候が温暖なこともあり、ウクライナは古くから「ヨーロッパの穀倉」「ヨーロッパのパンかご」と呼ばれるほど農業の盛んな国です。主要農産物は小麦、とうもろこし、ばれいしょ、ひまわりの種、てん菜などで、二色からなるウクライナの国旗は青い空と黄金の麦畑を表しているともされています。
 なお、国内総生産(GDP) に占める農林水産業のシェアは約10%と、日本の1%と比べて大きなものとなっています。

2021年における日本のウクライナからの輸入額は798億円ですが、その半分以上をたばこが占めています。ウクライナにはJT(日本たばこ産業)の工場があり日本向けの製品等を生産していますが、現在は操業が停止されているようです。
 ちなみに2012〜14年頃には、日本は毎年100万トン近いとうもろこしをウクライナから輸入していました。しかし現在は「豆知識」欄で見た通りほとんど輸入はなく、ウクライナ産とうもろこしの輸出先はほとんどが中国にシフトします。近年、中国は穀物輸入を急増させており、世界最大のとうもろこし輸入国となっています。
 
[参考]
 外務省「ウクライナ(Ukraine)基礎データ」
 https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ukraine/data.html#section1
 農林水産省「ウクライナの農林水産業概況」
 https://www.maff.go.jp/j/kokusai/pdf/europe/ukraine_gaikyou.pdf
 財務省「貿易統計」
 https://www.customs.go.jp/toukei/info/tsdl.htm

出所:
 F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
 No.237、2022年3月3日(木)[和暦 如月朔日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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