−過去最高値を更新するFAO食料価格指数−

去る4月8日、国連食糧農業機関(FAO)が公表した2022年3月の世界の食料価格指数(2014〜16年=100)は159.3と、前月の141.4から17.9ポイント(12.6%)上昇し、1990年の集計開始以来、2か月連続で最高値を記録しました。
穀物は前月から17.1%上昇しており、特に紛争のためウクライナとロシアからの輸出が混乱していること等から小麦は19.7%、とうもろこし等の粗粒穀物は20.4%と高騰しています。
さらに植物油についても、ウクライナ産ひまわり油の輸出減の影響により23.2%上昇しています。
これら世界の食料価格の高騰は、特に国内における食料供給基盤(自給力)がぜい弱なアフリカ、中東、アジア諸国においては深刻な政情・社会不安につながることが懸念されています。2011年、エジプトのムバラク政権を倒した反政府運動(アラブの春)の背景には、ロシア・ウクライナ産小麦の供給不安があったことが思い出されます。
日本でも小麦や植物油の値上げが国民生活を直撃しているものの大きな社会不安となっていないのは、主食である米が国内自給できているという安心感によるものと考えられます。
[参考]
“FAO Food Price Index”(2022.4/8)
https://www.fao.org/worldfoodsituation/foodpricesindex/en/
出所:
F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
No.240、2022年4月15日(金)[和暦 弥生十五日]
https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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