【豆知識】東村山市、東京都の農業の特色

去る7月22日(金)、榊田みどりさん(農業ジャーナリスト、明治大学客員教授)のご依頼を受けて、地域農政未来塾(「オーシャン・カレント欄」参照)において「農林水産統計の調べ方、使い方」について説明させて頂きました。
 その際、せっかくの機会でしたので、私も自分が住んでいる東京・東村山市の農業について調べてみました。

市町村の農林水産業について調べる時に役に立つのが、農林水産省・統計情報のホームページで公開されている「わがマチ・わがムラ(市町村データ)」です。
 このサイトでは、日本地図から調べたい市町村を選択すると、その市町村の土地面積や人口、農林水産業に関するデータの一覧が表示されます(ランキングや週択単位のデータを見ることもできます)。
 また、データは、所在する都道府県及び全国のデータと同時にCVS形式でダウンロードすることができます。
 リンク先の図247は、ダウンロードした東村山市(及び東京都、全国)のデータを、エクセルを使って加工し、グラフにしたものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2022/07/247_higasimurayama.pdf

これによると、東村山市(及び東京都)においては耕地面積や農家の割合は全国平均より小さく、また、面積は小規模な農家が多い一方で、主業農家率は逆に全国平均より大きくなっています。また、比較的若い担い手も確保されています。これは、野菜や果樹農家の割合が大きいためと考えられます(東村山市には稲作はほとんどありません)。
 東村山市(あるいは東京都)の農業は、一般的に農業には不利とされる都市部にありながら、しっかりとした農家により収益の高い農業が営まれていることが分かります。

特筆すべきなのが、面積当たりの直売所の数です。
 東村山市では1ha当たり11.67か所(全国 0.44、東京都 2.73か所)と、全国平均の実に26倍もの密度で農産物直売所(JAの直売施設や農家庭先のスタンド等)が存在しているのです。
 多くの住民が近隣にいることは、東村山市農業にとって大きな強みであることが伺えます。
 統計を調べることで、住んでいる市町村の意外な特徴(強みや弱み)を知ることができるのです。もちろん、統計数字では分からないこと(歴史など)もたくさんあります。

(参考)
「わがマチ・わがムラ(市町村データ)」(農林水産省統計情報ホームページ)
 http://www.machimura.maff.go.jp/machi/
「農林水産統計の調べ方、使い方」(地域農政未来塾における設計資料)
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2022/07/220722_toukei_koukai.pdf

出典:
 F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
  No.247、2022年7月29日(金)[和暦 文月朔日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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