【メルマガ】F.M.Letter No.247

(ウェブ掲載にはタイムラグがありますので、よろしかったら以下から登録(無料)して頂ければ幸いです。)
 https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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◇フード・マイレージ資料室 通信 No.247◇
  2022年7月29日(金)[和暦 文月朔日]
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◆ F.M.豆知識  東村山市、東京都の農業の特色
◆ O.カレント  地域農政未来塾
◆ ほんのさわり 塩見直紀ほか『半農半X』
◆ 情報ひろば  ブログ更新、イベント情報等
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 ロシアのウクライナ武力侵略が始まってから5か月、さらに長期化が懸念されるなか、穀物等の円滑な輸出再開が期待されます。今号は久しぶりに(日本国内の)「地域」に着目しました。
 本メルマガは、時の流れを体感するため、和暦の朔日(新月)と十五日(ほぼ満月の日)に、登録して下さっている皆様に配信しています。

◆ F.M.豆知識
 食や農に関連して、特に私たち消費者にちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるデータをコツコツと紹介します。
 (過去の記事はこちらに掲載)
 https://food-mileage.jp/category/mame/

−東村山市、東京都の農業の特色−

去る7月22日(金)、榊田みどりさん(農業ジャーナリスト、明治大学客員教授)のご依頼を受けて、地域農政未来塾(「オーシャン・カレント欄」参照)において「農林水産統計の調べ方、使い方」について説明させて頂きました。
 その際、せっかくの機会でしたので、私も自分が住んでいる東京・東村山市の農業について調べてみました。

市町村の農林水産業について調べる時に役に立つのが、農林水産省・統計情報のホームページで公開されている「わがマチ・わがムラ(市町村データ)」です。
 このサイトでは、日本地図から調べたい市町村を選択すると、その市町村の土地面積や人口、農林水産業に関するデータの一覧が表示されます(ランキングや週択単位のデータを見ることもできます)。
 また、データは、所在する都道府県及び全国のデータと同時にCVS形式でダウンロードすることができます。
 リンク先の図247は、ダウンロードした東村山市(及び東京都、全国)のデータを、エクセルを使って加工し、グラフにしたものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2022/07/247_higasimurayama.pdf

これによると、東村山市(及び東京都)においては耕地面積や農家の割合は全国平均より小さく、また、面積は小規模な農家が多い一方で、主業農家率は逆に全国平均より大きくなっています。また、比較的若い担い手も確保されています。これは、野菜や果樹農家の割合が大きいためと考えられます(東村山市には稲作はほとんどありません)。
 東村山市(あるいは東京都)の農業は、一般的に農業には不利とされる都市部にありながら、しっかりとした農家により収益の高い農業が営まれていることが分かります。

特筆すべきなのが、面積当たりの直売所の数です。
 東村山市では1ha当たり11.67か所(全国 0.44、東京都 2.73か所)と、全国平均の実に26倍もの密度で農産物直売所(JAの直売施設や農家庭先のスタンド等)が存在しているのです。
 多くの住民が近隣にいることは、東村山市農業にとって大きな強みであることが伺えます。
 統計を調べることで、住んでいる市町村の意外な特徴(強みや弱み)を知ることができるのです。もちろん、統計数字では分からないこと(歴史など)もたくさんあります。

(参考)
「わがマチ・わがムラ(市町村データ)」(農林水産省統計情報ホームページ)
 http://www.machimura.maff.go.jp/machi/
「農林水産統計の調べ方、使い方」(地域農政未来塾における設計資料)
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2022/07/220722_toukei_koukai.pdf

◆ オーシャン・カレント−潮目を変える−
 食や農の分野で先進的かつユニークな活動に取り組んでおられる方や、食や農に関わるトピックスを紹介します。
 (過去の記事はこちらに掲載)
 https://food-mileage.jp/category/pr/

−地域農政未来塾−

全国の町村の連合組織である全国町村会(本部:東京・千代田区永田町)が開講している「地域農政未来塾」は、農業・農村を取り巻く環境が大きく変化するなか、自ら地域の課題に気づき、学び、考え、提案し、そして実行できる町村職員を養成することを目的としています。

6期目となる2022年度は、公募で選ばれた全国からの18名の受講生が参加し、来年2月にかけて計7回の講座やゼミが開かれています。
 塾長は生源寺眞一先生(福島大学教授・食農学類長)。少人数に分かれてのゼミを担当する主任講師は、小田切徳美先生(明治大学農学部教授)、榊田みどりさん(農業ジャーナリスト・明治大学客員教授)、荘林幹太郎先生(学習院女子大学副学長・教授)、中嶋康博先生(東京大学大学院教授)の4名。
 他にも、それぞれの分野での第一人者である30名近くの講師陣による講義も行われます。

私も榊田さんのゼミを少し協力させて頂きましたが、受講生は意欲的な方ばかりでした。
 地域農政未来塾に参加することは、最新かつ一級の知識を学べるだけではなく、受講生相互の交流を通じて出身の町村についても大きな財産となることが期待されます。

(参考)
 全国町村会
 https://www.zck.or.jp/
 地域農政未来塾 開講式の様子(『町村週報』2022.6/6号、p.8〜)
 https://www.zck.or.jp/uploaded/attachment/4327.pdf

◆ ほんのさわり
 食や農の分野を中心に、考えるヒントとなる本を紹介します。
 (過去の記事はこちらに掲載)
 https://food-mileage.jp/category/br/

−塩見直紀、藤山 浩、宇根 豊、榊田みどり編『半農半X−これまで・これから』(2021年11月、創森社)−
 http://soshinsha.sakura.ne.jp/bookdetail.php?id=420

「半農半X」(はんのう・はんエックス)とは、農ある小さな暮らしをベースに、その人ごとの天与の才(天職、生きがい)を世に活かすという生き方。言い換えれば、農業を営みながら、自分の好きなやりがいのある仕事に携わるというライフスタイルのことです。

編者の一人・塩見直紀さん(半農半X研究所、京都・綾部市→山口・下関市)は、半農半Xというコンセプトを提唱して四半世紀余、常に「追い風」を感じていたとのこと。他の命を頂かないと生きていけないという生命としての宿命(農の大事さ)と、人には「生きる意味が必要」ということが、海外を含めて半農半Xが普遍性を持ちえた理由であるとしています。

藤山 浩さん(持続可能な地域社会総合研究所、島根・益田市)は、「地元関係図」で地域の生態系を描きつつ、ローカルなレベルで循環型社会を創り直すことための半農半X的アプローチを提唱しています。
 宇根 豊さん(農と自然の研究所、福岡・二丈町)は、農の本質(「いのち」の引き継ぎ)から説き起こし、自らの「X」は思想表現であるとしています。
 榊田みどりさん(農業ジャーナリスト)は、半農半Xは、近年、国の農政や自治体の事業においても評価されており、今後の脱炭素など持続的な食料システム構築の上でも大きな可能性を有することに注目しています。

そして何より、それぞれの地域で半農半Xを実践されている20名以上の方々の実践報告(口絵としてカラー写真も掲載)が、半農半Xが単なる個人のライフスタイルではなく、これからの地域づくりにおいて重要な役割を果たすことが力強く示唆されています。

◆ 情報ひろば
 拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベントの開催情報等をお届します。

▼ 拙ブログ「新・伏臥慢録」更新情報
○ 「地域農政未来塾」と、東村山の農業史[7/25]
 https://food-mileage.jp/2022/07/25/blog-388/

▼ 筆者が報告者を務めるイベントです。
 ○ 第11回 経済・財政・金融を読む会
 日時:7月30日(土)13:30〜16:30【明日です】
 場所:オンライン
 テキスト:下川 哲『食べる経済学』(2021.12)
 主催:(一社)ピープルズ・プラン研究所
 (詳細、申込み等↓)
 http://www.peoples-plan.org/jp/modules/news/article.php?storyid=672

▼ 筆者が関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
 既に満席の場合等がありますので、参加を希望される際には必ず事前に主催者等にお問い合せ下さい。

○ こども霞が関見学デー
 日時:8月3日(水)、4日(木)13:30〜16:30
 場所:農林水産省(東京・千代田区霞が関1)及びオンライン
 主催:農林水産省(各府省庁等が連携)
 (詳細、問合せ等↓)
 https://www.maff.go.jp/j/kids/experience/k_d/r04_outline.html

○ 第11回 戦争の記憶と記録を語り継ぐ映画祭
 日時:8月10日(水)〜12日(金)
 場所:スターツおおたかの森ホール」(千葉・流山市)
 主催:(一社)昭和文化アーカイブス
 (詳細、問合せ等↓)
 https://www.showabunka.org/eigasai2022/

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*米令寺忽々のコツコツ小咄。
 ウクライナの戦火がやむまでお休み中です(長期の休みになってしまっています)。
 過去のバックナンバーは拙ウェブサイトに写真入りで掲載しています。
 https://food-mileage.jp/category/iki/

* 次号No.248は8月12日(金)[和暦 文月十五日]に配信予定です。
 より役立つ情報発信等に努めていきますので、読者の皆さまのご意見、ご要望をお聞かせ頂ければ幸いです。

* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて頂いています。いつもありがとうございます。
 https://www.lunaworks.jp/

* 本メルマガは個人の立場で配信しており、意見や考え方は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。
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◆ F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信−【ID;0001579997】 
 発行者:中田哲也
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