【豆知識】世界の飢餓人口の推移

本年7月、国連は「世界の食料安全保障と栄養の現状」と題するレポートの最新版(2022年販)を公表しました。
 リンク先のグラフは、この報告書(英文)のデータから作成したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2022/08/249_NoU.pdf

これによると、世界全体で飢餓の影響を受けている人の数(慢性的な栄養不足人口)は、2021年には最大で8億2,800万人と推定され、これは世界の全人口の約1割を占めています。
 飢餓人口の推移をみると、2005年には約8億人だったのが2010年には約6億人、2017年には約5.7億人へと減少していましたが、2019年以降、大きく増加に転じています。
 これは、新型コロナアウィルスの感染拡大と、これに伴うロックダウン措置などサプライチェーンの混乱によって食料価格が上昇したためです。
 また、地域別にみると、アフリカが約2.8億人(うちサブサハラ約2.6億人)、アジアが約4.2億人(うちインドなど南アジア約3.3億人)等となっており、人口に占める割合もサブサハラでは約23%(東アフリカ約30%、中央アフリカ約33%)となっています。
 このように、世界の飢餓については地域的な格差(不平等)が非常に大きいのです。

また、本レポートでは、ウクライナで進行中の戦争が世界の食料需給や価格にさらに悪影響を及ぼしていることも記述されており、さらに、SDGs(持続可能な開発目標)の2番目「2030年までに飢餓をゼロに」の達成には悲観的な見方が示されています。 

(データの出典)
 FAO(国連食糧農業機関)、IFAD(国際農業開発基金)、unicef(国連児童基金)、WFP(国連世界食糧計画)、WHO(世界保健機関)
 “The State of FOOD SRCURITY AND NUTRITION IN THE WORLD”(2022.7)(英文)
 https://www.fao.org/3/cc0639en/online/cc0639en.html

出典:
 F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
  No.249、2022年8月27日(土)[和暦 葉月朔日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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