【ブログ】CSまちデザイン20周年

2022年11月26日(土)。
 時おり細かな雨がぱらつくなか、東京・東村山市の農とみどりの体験パーク・秋津ちろりん村ではミニ収穫祭が開催されていました。
 ボランティアの皆さんが丹精込めて作った大根などの収穫体験に、多くの家族連れの皆さんが列を作っていました。子ども達の笑顔が溢れています。

JR武蔵野線で府中本町、南武線に乗り換え。少し時間に余裕があったので分倍河原に寄り道、途中下車。もう雨の心配はなさそうです。
 駅前には新田義貞の像。元弘三(1333)年、義貞が鎌倉幕府軍を打ち破った分倍河原古戦場の碑。小手指、久米川古戦場跡は過去に訪ねたことがありますが、ここは初めて。
 近くには高倉塚古墳が状態よく保存されていました。

登戸で小田急線に乗り換えて、目的地・経堂へ。
 生活クラブ館で、NPO法人コミュニティスクール(CS)まちデザイン20周年記念の会が開催されます。
 その会に先立つ記念講座の講師として、誠に僭越なことながら、私を招いて下さったのです。

 私自身もCSまちデザインの会員であり、これまでもCSが主催する「福島浜通りへのスタディツアー」はじめ様々な市民講座等に参加させて頂いています。

この日は会場とオンラインのハイブリッド形式での開催。若干、機器の調整に手間取りましたが、14時の定刻にスタート。
 「今、改めて食について考える-フード・マイレージから見えてくるもの-」と題するスライドを用いて、話題提供させて頂きました(当日、使用した資料はこちら)。

 コロナ対策もあって、ステージ右手のアクリル板に囲われた演台で説明。スライドはオンラインでも共有されています(画面の右上には小さく私の顔も(汗))。

右の写真は、当日参加して下さった小谷あゆみさん(農業ジャーナリスト)から借用。

意見等は私個人のものであることをお断りした上で、自己紹介に続き、フード・マイレージの概要等について説明。

 輸入食料のフード・マイレージについては、日本は諸外国の3~8倍の水準にあること、世界的な食料価格の上昇を反映して2016年までは減少傾向にあったものの、2020年には再び増大したこと。
 また、長距離・大量の輸入食料の輸送は相当量のCO2を排出し地球環境に負荷を与えていること等。

当日、オンラインで共有して頂いた画面から(次の図も同じ)。なお、使用した資料(全体)はこちら

同じ食材(ネギを例示)を使用する場合でも、地元(東京都)産のものを選んだ場合には、輸入品の場合と比べてフード・マイレージは140分の1に縮小され、冷暖房の温度の1℃の調節、テレビを観る時間を減らす等の取組みの10~20倍のCO2削減効果があると試算されること。

さらに、パンデミックやウクライナ情勢の下で食料安全保障(安定供給)が重要な課題となっているなか、米の価格は低下傾向が続き、担い手や農地も減少していること。その危機的な現状の中で、「買い支える」ことができるのは自分たち消費者しかいないこと。

そして、フード・マイレージを意識することは、その食べものの産地や生産者、さらには風土や伝統・歴史を想像する「よすが」となること。
 最後に「食農共育」をコンセプトに活動されているCSまちデザインの益々のご活躍を祈念するとともに、自らもともに尽力していきたい旨を発言させて頂きました。

榊田みどり理事(農業ジャーナリスト)の進行で、会場及びオンライン参加者との間で質疑応答、意見交換。
 消費者は安いから輸入品を購入してきたが、これからは値上がりして買えなくなっていくのではないかとの懸念。学校給食の大切さ等についてご意見を寄せて頂きました。

講座の終了後はテーブルの配置を変更して、「CSまちデザイン 20周年記念の会」の開会です。
 近藤惠津子理事長からは「あっという間の20年だったようなことを言われるのをよく聞くが、私にとっては長い20年でした。多くの方の力を頂きながら、様々に展開してきた事業や活動を思い起こします。皆さまのご多幸をお祈りしつつ、これからも共に歩んでいきたいと願っております」等の挨拶。大江正章理事(コモンズ)など、大切な方を喪ったことへの無念の思いも吐露されました。
 続いて参加者からの祝辞、寄せられたメッセージの披露。20年を振り返る映像も。

榊田理事からは、この日、配って下さった記念誌(『食と農と地域をつなぐ』)の紹介がありました。

FAVORIT+」(ファボリ プラス、目黒区五本木)さんのお弁当も頂きました。
 食材にもこだわった手作りの献立について、作って下さった方々が説明して下さいました。

配って頂いた記念誌を拝見すると、改めて、この20年間、CSまちデザインが非常に幅広く充実した活動をされてきたことが分かります。私も多くの学びを頂いてきました。

2022年11月~23年3月にかけても様々な市民講座等が予定されています。
 共通テーマは「農ときちんと向き合う」と正に時宜にかなったもの。多くはオンラインでも参加できますし、私もいくつか参加させて頂く予定です。

21年目を迎え、近藤理事長はじめCSの皆さまの益々のご活躍を期待しています。どうかお身体大切にと祈りつつ。