−ジェシカ・ファンゾ『食卓から地球を変える−あなたと未来をつなぐフードシステム』(2022年3月、日本評論社)−
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/8763.html
著者はジョンズ・ホプキンス大学(アメリカ・ボルチモア)公衆衛生大学院の特別教授等を務めており、専攻は世界食料・農業政策及び倫理学とのことです。
大学院で分子栄養学の学位を取得した著者は、「無菌実験室」を離れ、ウガンダやケニア、東チモール、ミャンマーなどの「現場」で、エイズなど公衆衛生や栄養改善の課題解決に向けて取り組みました。さらにその後は、よりグローバルな視点からのフードシステム(農場から食卓まで、食べものに関わる全てのもの)の課題解決のため、FAO等の国際機関において調査研究に従事し、イート・ランセット委員会の報告書(「オーシャンカレント」欄参照)作成にも委員として参画しています。
著者によると、私たちが口にする食べものは単なる栄養源ではなく、個人や地域の栄養や健康、地球全体の天然資源や気候変動、公平性など社会正義の課題に直接大きな影響を与えているとのこと。つまり、食べものは私たちと世界を繋ぐものなのです。
現在、世界は気候変動やパンデミック等の混沌のなかにあり、私たちは地球市民として重大な岐路に立たれていますが、同時に、公平で健康的かつ持続可能なフードシステムを実現するチャンスが大きく広がっているともしています。
そして「私たちは行動を変える必要がある。どのような食事を選択するか、食卓に何を置くかが重要になる」としており、具体的には、カロリーを過剰に摂取しない、加工度の高い食品を避ける、中高所得国の人々は動物性食品の消費を減らすこと等を提言しています。
出典:
F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
No.262、2023年3月6日(月)[和暦 如月十五日]
https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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