【豆知識262】日本が依存している海外の農地面積

日本の食料自給率はカロリーベースで38%(2019年、生産額ベースでは63%)と、主要国のなかでは最も低い水準となっており、私たちの食生活は大量の輸入食料に依存しています。つまり、私たちの食料の6割以上は、海外の農地で生産されているのです。
 農林水産省は、日本の農産物輸入量を海外の農地面積に換算(試算)した数値を公表しています(リンク先のグラフ参照)。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/03/262_kaigai_ison.pdf

これによると、海外に依存している品目(小麦、とうもろこし、大豆、畜産物(飼料)等)の生産に用いられている農地面積は913haと試算され、これは、日本国内の農地面積(442万ha)の約2倍に相当しています。
 この状況は、当然ながら武力侵攻により海外の農地を略奪していること等を示している訳ではなく、市場経済と自由貿易の下で実現しているものではありますが、世界的に気候危機が叫ばれるなか、私たちの食料供給がぜい弱な基盤の上に成り立っていることは間違いありません。また、砂漠化など資源不足が叫ばるなかで世界には8億人以上の飢餓人口がおり、一方で日本国内では約28万haの農地が耕作放棄等により荒廃していることを考えると、倫理的にも問題なしとは言えないのではないでしょうか。

データの出典:
 食料・農業・農村審議会 検証部会 第1回資料(p.21)
 https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/kensho/attach/pdf/siryo-20.pdf

出典:
 F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
  No.262、2023年3月6日(月)[和暦 如月十五日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
 (↑ 購読(無料)登録はこちらから)
 (↓ 「F.M.豆知識」のバックナンバーはこちらに掲載)
  https://food-mileage.jp/category/mame/