公益社団法人 日本農業法人協会は、2022年11月から12月にかけて「第2回 農業におけるコスト高騰緊急アンケート」を実施しました(対象は協会の正会員、有効回答数460)。
これによると、ほとんど(97%)の生産者が前年10月に比べて生産コストが上昇したと回答しており、特に畜産においては54%の生産者が1.5倍以上に上昇したとしています(リンク先の一番上のグラフ)。
https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/03/263_tenka.pdf
中央のグラフがコスト上昇を受けた価格転嫁の状況で、値上げ(価格転嫁)した生産者は14%、一部値上げした生産者は32%にとどまっており、過半数の54%は改定していない(値上げできなかった)としています。
なお、値上げを受け入れないと感じる先は、集出荷段階が63%、消費者が48%、小売業者が45%等となっている一方、消費者に直接販売している生産者については26%が値上げ(価格転嫁)できたと、比較的多くなっています。
しかしながら、販売価格を値上げした生産者についてコストのカバー率をたずねると、25%未満が過半を占めています。
このように、燃油、肥飼料等の生産コストが上昇するなかで、農業生産者による価格転嫁は全く不十分であり、適正な価格が形成されている状況とはほど遠い現状にあります。
私たち消費者としては、食品の値上げを嘆くばかりではなく、生産者のコスト上昇分の一部でも負担(シェア)する意識と行動が必要と考えます。
[データの出典]
公益社団法人 日本農業法人協会「第2回 農業におけるコスト高騰緊急アンケート」(2022年12月)から筆者が作成。
https://hojin.or.jp/wp-content/uploads/2022/12/221216costup2_overview-1.pdf
出典:
F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
No.263、2023年3月22日(水)[和暦 閏如月朔日]
https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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