【豆知識264】小売店の減少と郊外型ショッピングセンターの増

小売店の数は2000年代に入っても減少を続けています。
 2016年における飲食料品小売店(事業所数)の数は29.9千店と、2002年の46.6千店に比べ約6割の水準へと大きく減少しています(リンク先の下の棒グラフ)。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/04/264_SC.pdf

一方、ショッピングセンター(飲食業、サービス業を含むテナント数が10以上の施設)の数は、2021年は3,169施設と、2001年の2,603施設から22%増加しています(上の棒グラフ)。
 これを立地別にみると、中心地域(人口15万人以上の都市で、商業機能が集積した中心市街地)に立地している施設は478(15%)にとどまっており、残りの85%は市街地の周辺あるいは郊外に立地しています。周辺・郊外に立地しているショッピングセンターの割合は、2001年以降、ほぼ右肩上がりで推移しています(折れ線グラフ。途中で定義の変更があったために厳密には接続しません)。

このように、中心市街地においては小規模の小売店が大きく減少する一方で、大型のショッピングセンターが郊外に立地するようになっているのです。郊外の大型ショッピングセンターは自家用車を利用できる人には便利ですが、利用が困難な高齢者等にとっては食料品店へのアクセスが困難な状況(フードデザート:食の砂漠)が生じています。また、温暖化ガス排出削減の観点からも、自家用車利用を前提とした流通のあり方は再考する必要があると思われます。

データの出典:
 (一社)日本ショッピングセンター協会「SC白書/全国のSC数・概況」、経済産業省「経済センサス活動調査」から筆者作成。
 https://www.jcsc.or.jp/sc_data/data/overview
 https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/census/28result/h28index.html#menu05

出典:
F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
  No.264、2023年4月5日(水)[和暦 閏如月十五日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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