【豆知識265】木材供給量と自給率、苗木生産量の推移

リンク先の上の棒グラフは、日本における木材の供給構造の長期的推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2023/04/265_naegi.pdf

国産材の供給量は、1960年代以降、長期的に減少傾向で推移してきましたが、2002年の1,692万立米を底として増加傾向に転じています。これは、森林資源の充実、合板原料としてのスギ等の国産材利用の増加、木質バイオマス発電施設での燃料材利用の増加等によるものです。
 一方、輸入材の供給量については、1960年代以降、丸太を中心に急増し、高い水準で推移してきましたが、1996年の9,045万立米をピークに減少に転じています。これは、中国の輸入増、ロシアの丸太の輸出規制等が背景にあります。なお、2020年は新型コロナウィルス感染拡大による混乱もあり、前年に比べ15%減少しました。

これらの動向を受けて、木材自給率(折れ線グラフ)は2000年頃まで低下傾向で推移していましたが、2002年の18.8%を底に上昇に転じ、2021年は41.1%となっています。

一方で、国内における造林用の苗木の生産量の推移(下の棒グラフ)をみると、1960年代の16億本から近年は6千万本程度と、4%程度の水準にまで大きく減少しています。
 「ウッドショック」という言葉に表されるように、これまでのような輸入の継続が困難となっている中、国産材の安定的に供給できる体制の構築が重要となっています。

データ:
 農林水産省「木材需給表」、林野庁「国営・民営別山行苗木生産量の推移」から筆者作成。
 https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/mokuzai_zyukyu/
 https://www.rinya.maff.go.jp/j/kanbatu/syubyou/syubyou.html

出所:
 F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
  No.265、2023年4月20日(木)[和暦 弥生朔日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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