【ブログ】Present Tree in みやぎ大崎・植樹ツアー(2日目)

1日目から続く。)
 Present Tree in みやぎ大崎 植樹ツアーの2日目、2023年11月5日(日)。
 朝食を終えて徒歩で古川駅へ。生憎と細かい雨が落ちています。改札前で集合・点呼ののち、JR陸羽東線7時27分発の気動車に乗車。8時9分、鳴子御殿湯駅で下車しバスに乗り換え、植栽地のある鬼首(おにこうべ)地区に向かいます。
 主催者(認定NPO法人 環境リレーションズ研究所)の鈴木理事長からは「私は『晴れ女』だから絶対に大丈夫」との心強いお言葉。

 30分ほどでスキー場にほど近い2021年の植栽地に到着、雨が落ちているので車窓からの見学。採草地だったところが、2011年の原発事故で利用できなくなっていたのを、大崎市「市民の森づくり事業」との協働で植樹した場所とのこと。

さらに20分ほど、途中からは未舗装の狭い道路を進んだところが(とても大型バスでは通れません)、今年の植栽地です。
 平安時代中期に前九年の役が勃発した鬼切部城址に隣接している高台にあり、一面、枯れたカヤなどに覆われています。雨模様でもあり、殺伐とした光景です。高齢化等により耕作できなくなり放置されている土地とのこと。冬は風が強く、深い雪に覆われるそうです。

9時45分頃から開会式。
 鈴木理事長からは「大崎を第二の故郷と感じられるよう、水源地の森づくりのために丁寧に植えて下さい」等の開会挨拶。
 昨夜に続き参加して下さった伊藤 大崎市長からは「大崎にはたくさんの豊かな宝がある。もっと多くの人に知ってもらいたい。都会の人たちとの仲立ちをして下さったのがプレゼントツリー」等の挨拶を頂きました。

 地権者組合の高橋代表からは「耕作できなくなった土地に植樹してもらえるのは有難い」等の言葉。管理を担当して下さる大崎森林組合の古市組合長、育った木をこけしに加工する予定の木地玩具協同組合の岡崎理事長からもご挨拶を頂きました。
 大崎市からも、何名も参加されています。

続いて、森林組合の方が、実演しつつ植栽方法を指導して下さいました。
 赤い杭を目印に、まずは地面を覆っている枯れ草を除去し、鍬で穴を掘っていきます。苗木の根(20cmほど)が十分に隠れるほどの深さが必要とのことで、なかなか力が要りそうです。穴が掘れると丁寧に苗木を置いて、最後に土をかけて踏み固めていきます。
 なお、この日、植栽する樹種はキハダとトチモチだそうです。

 説明の後、参加者は一人ずつ鍬をお借りし、苗木数本を手にとって、グループごとに区切られた区画の中に散っていきました。

10時15分頃から、いよいよ植栽作業がスタート。
 地表を覆う大量の枯れ草(かなり堅くて重い)を取り除き、現れた黒い地面に鍬を振り下ろしたのですが、地中にも堅くて強い根が絡まっており、なかなか掘り下げられません。ようやく最初の1本を植栽するのに優に10分以上かかりました。
 ちなみに目安(ノルマ?)は一人10本とのこと。

 これまで参加した福島・広野や熊本・山都に比べると、手間も時間も腕力も、かなり多く必要です。
 途中で気が付くと、雨は上がっていました。鈴木理事長の神通力、恐るべし。

大和田先生ご夫妻も、協力しながら苗木を植えておられました。
 植樹し終わった苗木には、森林組合の方が目印のピンクのリボンを結んでいきます。
 植栽地の端まで来てみると断崖絶壁になっており、冬の強い風が想像されます。

 1時間ほどで、何とか準備していた苗木の植栽は終了。私は10本植えられたか、どうか。

バスで道を戻り、途中で大根の収穫を体験させて頂きました。
 冷涼な気候を活かして栽培されている鬼首高原大根は、みずみずしく、果実のような甘みもあるとのこと。

 地元の農家の高橋さんが待っていて下さり、抜き方を指導して下さいました。ねじるようにしながら抜くと泥が付きにくく、また、欲張って太いものを選ぶと先が割れていることが多いそうです。
 今夏はこの地域も猛暑だったようで、キスジノミハムシの虫害が酷かったとのこと。成虫は葉を、幼虫は根を食害するそうで、見た目は良くない部分も皮をむけば味は変わらないそうです。
 一人一本ずつ、お土産に頂きました。有難うございます。
(帰宅した翌日、さっそく煮物やみそ汁に入れて頂きましたが、味が濃くて美味でした。)

12時過ぎから、地元の集会所で昼食です。高橋さんや市の方達も同席して下さいました。
 地元のお母さんたちが中心になって準備して下さったのは、塩おむすび(ふっくら)、大根のそぼろあんかけ(ねっとりほくほく)、きのこ汁(熱々。きのこは山で採取してきて下さったとのこと)、お漬物(しゃきしゃき)。
 どれも地元の食材。心身が芯から温まってきました。ご馳走様でした。

引き続き集会所で閉会式。参加者の数名の方から感想など。それぞれに心に残る貴重な体験になったようです。

 その後は鳴子ダムを見学。山肌の紅葉が湖水に映えています。
 最後の鳴子温泉街では、ゆったりと自由時間を取って下さっていました。
 駅前の坂道を10分ほど登った高台にあるのが温泉神社。承和四(837)年の大噴火を鎮めるために建立された延喜式内社とのこと。

 参道の入り口脇にある滝の湯は、外観も風情のある共同浴場。200円をお支払いして入ってみると、子どもを連れた地元の方たちで賑わっています。手前の浴槽は45℃もあるそうで、長い時間は入っていられません。奥の深い浴槽はややぬるく、2本の滝が落ちる打たせ湯になっています。
 体はほかほかに。 

鳴子温泉駅15時39分発のJR陸羽東線に乗車。
 2両編成の気動車はほとんど私たちの貸し切り状態に近く、ふだんの利用者は多くはないようです。JRでも有数の赤字路線とのこと。

16時26分に古川駅着。最後のお土産など買って17時08分発の東北新幹線はやぶさ110号へ。
 19時前に上野で下車、21時過ぎに帰宅。
 今回も充実したツアーでした。地元の皆様、一緒に参加できた皆さん、それに準備段階から最大限の「おもてなし」をして下さった主催者・スタッフの皆さんに感謝申し上げます。