【ブログ】顔の見える関係のこと、「お肉の情報館」見学など

2023年12月16日(土)は歳の瀬とは思えない陽気。東京の最高気温は21℃にまで上がったそうです。
 娘夫妻が新居を構えた東京・自由が丘へ。
 和食のお店で昼食、美味。13時前にお店を出る時も行列ができていました。

その日の夜は、同じ自由が丘で奥沢ブッククラブに参加。望年会を兼ねて、数か月ぶりのリアル開催です。
 今回の課題本は伊丹十三『女たちよ!』。食べものネタも多く楽しく読めました。

翌17日(日)の昼前には、US.Peace Farmの「おいしいお野菜届け隊」から今年最後の野菜が届きました。
 埼玉・小川町の横田農園も、今年は猛暑・渇水でご苦労が多かったそうです。1年間、お世話になり有難うございました。

 週明けの18日(月)も快晴。ようやく歳の瀬らしい寒さになってきました。
 久しぶりにJR大崎駅に足を運んでみました。南改札口を出てすぐのところで定期的にマルシェが開催されています。川野真理子さん(なみへい合同会社)の姿もありました。一時、体調を崩されていたそうですが、変わらずにお元気そうです。
 川野さんご自身がつき合いのある全国各地の小さな農家や生産者の方たち(お母さんグループ等)の特産品を扱っておられます。この日の目玉は根つきせり。川野さんを介した、正に「顔の見える」マルシェです。

ちなみにこの日は、ポケットマルシェを運営している(株)雨風太陽(高橋博之代表)が東京証券取引所グロース市場に上場したとのニュースも。
 食べものの裏側にあるストーリーを伝え、生産者と消費者を直接つなぐことをミッションとする会社への期待は大きく、日本経済新聞など多くのメディアでも取り上げられました。

 食と農の間の距離を縮め、顔の見える関係づくりを進めることで、現下の食や農をめぐる課題(健康、安心、自給率、ロス、地域活性化等)の多くは解決に向かうことと思われます。
 それぞれの場所、方法で、このような取組みが拡がっていくことが期待されます(私個人が主催するささやかな「食と農の市民談話会」も、その一環です)。

隣の品川駅に移動。15時に改札前で待ち合わせ。銀座で開催されている勉強会(今夜もご機嫌 銀座で農業)のメーバーで、東京都中央卸売市場・食肉市場を見学することにしのです。
 港南口から徒歩数分、市場ビルの6階にある「お肉の情報館」は予約不要で、だれでも自由に見学できます(土日祝は休)。 

芝浦と場・東京食肉市場の歴史、と畜解体作業の流れ、衛生検査や市場取引の仕組み等について、パネルや模型等により分かりやすく展示・説明されています。と畜解体作業の様子はビデオで見ることもできます(なかなかショッキングな映像です)。

 さらに衝撃的だったのは「食肉の歴史と人権」のコーナーでした。
 ここに展示されていたのは、食肉市場(と畜場)や、そこで働く人たちを誹謗、中傷するはがきや手紙。「残酷」「人間のやる仕事じゃない」など、文字にできないような酷い言葉が綴られています。なかには子どもが書いたと思われるものがありました。
 ほとんどの日付は平成に入ってからです。インターネットへの投稿もあるそうで、食肉処理に対する差別や偏見が現在も根強く残っていることを示しています。
 すぐ隣には、市場を見学した小学生たちの感想文が掲示されていました。市場で働く人たちへの感謝の気持ちなどが綴られています。救われる思いがしました。

その後は、お肉(と、それを生産して下さっている方々)への感謝を表すために、大森駅近くの老舗もつ料理店へ。勉強会メンバー5名による望年会です。さすが煮込みは絶品で、一年間の疲れが癒されるようでした。
 二次会は、近くの沖縄料理屋さんで泡盛と沖縄そば。ご馳走様でした。

考えてみれば、お米や野菜については、ある程度産地や生産者について想像力が及ぶものの、畜産物は、生産者や事業者の顔が最も見えにくくなっている食材かも知れません。輸入飼料に依存した大規模・工場的な畜産が主流になっていることが一因となっているものと思われます。
 私たちは、米や野菜と同じくらい重要な畜産物について、より学ぶ必要があります。人権問題がかかわっているということであれば、なおさらです。

この年末年始は、食肉にまつわる本も読んでみようと思っています。