毎朝、目覚まし代わりに5時にラジオをつけて半分眠りながら聴いているのですが、今朝(2024年1月9日)は、驚きのニュースに目が覚めてしまいました。
リモート出演されたドイツ在住の作家・川口マーン惠美さんによると、ドイツ全土で大規模な農民デモが実施されているとのこと(能登地震のニュースも詳しく報じられているそうですが、トップニュースはこちらだそうです)。
政府によるディーゼル燃料に対する補助金削減計画に抗議して、トラクターのデモによる道路封鎖等が行われているそうで、全く知りませんでした(昨年12月にも実施されたそうです)。
起き出してネットで検索してみたのですが、ヒットしたのは海外安全対策に関するコンサルティング業務を行っている民間団体の「海外安全.jp」が「交通障害の発生が確実で、トラクター等の集結地点への接近は避けるように」との注意喚起がある程度でした。
やはり日本の大手マスコミ等は、報道していないようです。
X(旧ツイッター)には、いくつかの映像も投稿されていました。
自宅の前を通るトラクターの車列を見たドイツ在住の日本人女性医師の方は「現代版・農民一揆という感じ」と投稿。
このニュースに接して、いくつか印象に残ったことがありました。
まずは、欧州では(昨年はオランダでもあったとのこと)、このような農民による大規模デモが現在も頻繁に行われていることの驚きです。日本では1990年代の米自由化、2010年代のTPP反対運動以降、農業者による大規模デモは行われていないのではないでしょうか。
二つ目は、交通渋滞の発生など市民生活にはそれなりの悪影響が出ていると思われるものの、一般市民は概して同情的とのこと。どうやら欧州と日本では、農民と一般市民との間の距離感がかなり違うのではないかと感じたことです。
かつての日本のデモの時は、労働組合や生協は別にして、一般市民の関心や連帯感は必ずしも高くはなかったのではないでしょうか。
三つめは、欧州が主導してきた「脱炭素」の流れは、あたかも世界標準となっているかのように捉えられていますが、欧州各国内の世論は必ずしも一枚岩ではないということです。
脱炭素も有機農業も避けて通れない重要な課題であり、かつ、日本は取組みが遅れている現実があるのですが、欧州を無批判的に追従するのではなく、日本らしい(日本の気候・風土や伝統・文化に根差した方法で)循環型社会づくりを追求していく必要があるのでは、との思いを強くしました。
もっとも「日本らしい」と書きましたが、正直、手探り状態ではあります。
しかし、例えば学校給食は、その重要かつ有効な手段になると考えられます。
本年2月12日(月・祝)には「第3回オーガニック学校給食フォーラム-食材のコストと調達をクリアして持続可能なオーガニック給食を目指そう!」がオンライン開催されます。
全国各地の実践事例の報告と交流・意見交換により、課題解決のヒントと具体的な方法論を探っていこうという内容です。私も参加申し込みさせて頂きました。
地震や事故で幕が開いた2024年ですが、食や農について、地域からの様々な実践が広がっていくことを期待したいと思います。