【ブログ】吉田俊道さん出版記念講演会@高田馬場

2024年2月16日(金)は休暇を頂き、午後から東京・高田馬場駅前の芳林堂書店へ。
 この日13時30分から開催されたのは、『図解でよくわかる菌ちゃん農法』刊行記念イベント-菌ちゃん先生こと吉田俊道さんの 「わかりすぎる!菌ちゃん農法 超実践テクニック」と題する講演会です。

 事前に予約の上、レジでご著書を購入して整理券と交換して、開場前から階段にずらりと並びます。大盛況のようで、急きょ第二部を開催することとなったそうです。

 司会の家の光協会の方によると、『図解でよくわかる 菌ちゃん農法-微生物の力だけで奇跡の野菜づくり』は多くの書店で売り切れとなり、増刷しているとのこと。

会場は100名ほどの参加者で満席です。女性の方が多く、赤ちゃんを抱いたお母さんの姿も。

 吉田さんがマイクを取られました。
 大きな身振り手振りで、壇上を左右に歩きながら語るという、いつものスタイルです。時には観客の人たちに質問して(イジって)会場の笑いを誘います(最前列近くに座る人は要注意です)。
 吉田さんのご講演は、概要、以下のような内容でした(文責・中田)。

 「北海道から沖縄まで、昨年くらいから菌ちゃん農法を実践する人が増えてきている。落ち葉などだけで野菜がつくれるとは、私自身も最初は信じられなかったが、実は昔から行われてきた農法。
 超初心者でも実践できるようにと、できるだけ分かりやすく書いたのが今回の本」

「菌ちゃん農法を始めると、もの珍しそうに見に来た近所の農家の人から『こんな高い畝にして、しかも農薬も化学肥料もやらなくて、野菜ができるはずがない』と言われると思う。その時、あなたはどう答えますか」
 突然、指名された女性はどぎまぎしながら「これは菌ちゃん農法です、と伝えます」と古足ると、吉田さんは「それはダメ。『そうですね、私もそう思うんですけど・・・』と答えておいて、できた野菜を見てもらい、その時に初めて菌ちゃん農法のことを説明して下さい。そうすれば農家も動き始める」

 「青虫がキャベツを食べるのは常識とされるが、実は元気野菜には虫はこない。健康な野菜は細胞が頑強で、抗酸化物質を分泌しているというメカニズムも分かってきた。虫たちは不健康で弱った野菜を食べて分解し、土に戻してくれている。害獣とされるモグラも、地中に空気を通してくれる役割がある」

 「化学肥料や農薬を使った野菜は美味しくないと言っているのではない。しかし菌ちゃん農法でつくると、一段上の、ためいきが出るくらい美味しい野菜ができる」

「日本中の土から菌ちゃん(微生物)がいなくなっている。そのせいで、人の健康や地球環境など多くの面で問題が起こっている。地球上に生命をはぐくんできたのは菌に他ならない。私たちはその生命を頂いて生きている」
 「発酵と腐敗は全く違う。腐敗しにくい、窒素分の少ない竹や落ち葉を中心に使うのがポイント」

「全国的に大きな動きになるには時間がかかるが、未来が見えてきた。注目してくれている大学の研究者もいる。本を読んでわくわくしたといった感想文も多く頂いている。まずは皆さんが楽しみながら実践して下さい」

途中からスライドも映写しながらの、1時間20分ほどの公演でした。
 会場との質疑応答の時間には、多くの人から手が挙がります。吉田さんは、聞き漏らすまいと真剣な表情で質問を受け、分かりやすく回答して下さいました。

 既に菌ちゃん農法を実践されているらしい方たちからは、畑への菌の入れ方と菌の種類、マルチの張替えはどうすればいいか等の、実践的な質問が次々と出されました。
 すべての菌はネットワークになって繋がっているが、まずは糸状菌が重要。たくさん糸状菌がついていることが多い山の竹や落ち葉を使うのが有効。マルチは一部をはいで落ち葉を足せばいい等の回答。

 新潟から来られたという稲作農家の方(男性)からは、田んぼでの菌ちゃん農法のノウハウについて具体的な質問があり、下層部に空気を入れるための天地返しが有効である等と答えられていました。

 「今日の話に大変感激した。菌ちゃん農法を広げていくためにはどうすればいいか」との発言には、「ぜひ、皆さんから始めて下さい。急には変わらないが、実践事例が増えれば社会は変わっていく」等の力強い回答がありました。

終了後のサイン会にも、長い列ができました。
 多くの方がサインをもらいながら、吉田さんに直接、熱心に質問。一人ひとりに丁寧に答えられている吉田さんの姿が印象的でした。
 吉田さんのご講演をお聴きするのは久しぶりでしたが、いっそう充実、パワーアップしていました。吉田さんのご健勝とますますのご活躍、菌ちゃん農法のさらなる広がりを期待したいと思います。

さて、終了後は新宿区大久保へ。韓国料理店等が軒を連ねるなど独特の活気のある街です。
 かねて来てみたいと思っていた高麗博物館を、初めて訪問しました。

 現在、企画展「ハンセン病と朝鮮人-壁をこえて」が開催中(6月30日(日)まで)。何冊かの資料を求めさせて頂きました。
 日本人を中心とするボランティアによって運営されているとのこと。多くの方に訪ねて頂きたい博物館です。

その後は、紀伊国屋書店に立ち寄って中江兆民『三酔人経綸問答』(光文社古典新訳文庫)を購入。
 翌日に参加する予定の哲学カフェの課題本ですが、図書館で借りて読み始めると何とも面白くて購入することに。140年近く前に書かれた本の、国のかたちや安全保障を考える上での現代性に驚かされます(別稿で紹介する予定です)。

(ご参考)
ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」
 https://food-mileage.jp/
メルマガ「F.M.Letter-フード・マイレージ資料室通信」(月2回、登録無料)
 https://www.mag2.com/m/0001579997