押水中学校のオムライスが包んでいるもの

東京・霞ヶ関の農林水産省(北別館)1階に、誰でも自由に入れる「消費者の部屋」というスペースがあります。
ここでは、農林水産行政や食生活等に関するパンフレットや資料の展示・配布、消費者等からの質問や相談の受付のほか、週替わりでテーマを決めた特別展示を行っています。
ちなみに薪ストーブも設置されています。
2014年1月27日(月)の週のテーマは「地場産物を活用したおいしい学校給食」でした。
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毎年1月24日~30日は、学校給食のより一層の充実発展を図るために文部科学省が定めている「全国学校給食週間」。
これに合わせて、歴史的な給食献立のレプリカ、地域の農林水産物を活用した各地のメニュー等を展示・紹介しています。
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また、「地産地消給食等メニューコンテスト」を受賞した各地の特色ある学校給食のパネルも展示されています。

第6回(2013年度)で文部科学大臣賞を受賞したのは、宝達志水町立押水中学校(石川県)。
能登半島の付け根にある宝達志水町(ほうだつしみずちょう)。
この地出身のシェフが、大正時代に日本で最初にオムライスを考案したことにちなみ、町は2011年から「オムライスの郷プロジェクト」に取り組んでおり、学校給食でもオムライスが定番メニューとして提供されています。
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実は昨年2月、「石川県栄養教諭・学校栄養職員講習会」(金沢市)に参加した際、押水中学校のK先生から、地元の農水産物を積極的に活用するなど熱心な食育の取組の様子を詳しくお聞きしていていたのです。
31日(金)は、偶然、その研修会を担当されていた石川県教育委員会のTさんが出張で上京、午後からの文部科学省での会議の前に農水省に立ち寄って下さいました。
職員食堂にご案内。
この週は、コンテストを受賞した献立を参考にしたメニューが期間限定で提供されていたのです。
オムライスは、サラダ、ひじき等の小鉢、味噌汁が付いて600円。なかなか美味です。
ちなみにこれはTFTメニュー(table for two、「二人の食卓」)で、1食につき20円の寄付金が開発途上国の子ども達の学校給食向けに寄付されるという仕組みです。
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一緒にオムライスを頂きながら、金沢でお聞きした学校給食の話を懐かしく思い出しました。
学校給食は衛生管理が大前提、栄養所要量も確保しなければならず、食材費や調理員さんの人件費等のコスト抑制も求められる中、大勢の子どもたちに質のいい献立を平等に提供しなければなりません。
その中で、宝達志水町立押水中学校では、生産者、事業者の皆さんと一体となって(学校給食の担当の方が毎週のように足を運ぶようにして)、地元の食材を安定的に献立に取り入れる仕組み、体制をつくっています。
また、生産者の方に授業で話をしてもらったり、逆に子ども達が生産者を訪ねて、自分たちの給食の食材がどのように作られているか学ぶといった取組もされています。
このような永年にわたる熱心な取組の成果の一つが、今回の大臣賞受賞に繋がったのです。
日本の食と農には、様々な困難な課題があります。
そのような中、子ども達の食育に取り組んでおられる全国各地の関係者の皆さまに、心から敬意を表したいと思います。
【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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