【オーシャン・カレント】谷内(赤木)美名子さん(新潟・上越市大賀)


(写真:「上越市ふるさと暮らしセミナー」(2017.9/2)チラシより)

岡山市出身の谷内(赤木)美名子さんは、東京の服飾関係の会社に就職しパタンナーとして働いておられました。パタンナーとは、ファッション・デザイナーがイメージした画から型紙を起こして試作するという、流行の先端を行く仕事です。
 そして、外資系証券界者に勤めておられた幹典さん(金沢市出身)と知り合い、結婚されました。

お二人の人生の転機となったのは5年前の大寒の日。「杜氏の郷」と呼ばれる新潟・上越市吉川区の酒蔵で開催された酒づくり体験会に参加されたのです。
 棚田の雪景色の美しさや、交流会での地域の方たちとの暖かい触れ合いに感動し、その後、折にふれて吉川区に通うようになりました。そしてある日、ご主人から「移住して農業をしながら杜氏を目指したい」という夢を打ち明けられたのです。

最初は戸惑いもあった谷内さんでしたが、ご主人の夢に寄り添うことを決心し、2013年7月に吉川区に二人で移住されたのでした。さらに翌年には山間部にある大賀集落に移りました。お嬢さんにも恵まれました。大賀では33年ぶりの子どもだったそうです。
 今は、地域の方々のサポートも得て米や野菜を作りながら、ご主人は杜氏の修行中、谷内さんはフリーとしてパタンナーの仕事を続けておられます。

ちなみに大賀には、私も交流活動をされている方たちに誘って頂き、これまで何度も稲作体験等で訪れています。典型的な中山間地域で、素晴らしい自然や棚田の景観の美しさには息を飲むほどです。

2017年9月2日(土)に東京・有楽町で開催された「上越市ふるさと暮らしセミナー」では、谷内さんがご家族とともに登壇され、大賀での暮らしの様子について話されました。
 次々と映写されるスライドのなかの、お嬢さんの輝くような笑顔が印象的でした。

谷内さんは、「収入は東京時代の半分近くに減ったが、丘の上の家からは棚田や山々、日本海も一望できるなど、豊かな生活を送っている。東京にいた頃は子どもを持とうとは思えなかったが、今は大賀の自然に助けられてゆったりとした気持ちで子育てをし、同時に仕事もしたいという、欲張りな願望を実現できている」と話されました。
 そして、子ども連れのカップルなど会場の参加者に対して、「私も精一杯サポートしますので、移住して来られるのを待っています」と呼びかけておられました。
 ちなみに上越市は、子育て支援策も充実しているとのことです。

[参考]
 谷内(赤木)美名子さんのブログ「Lineaとむすひ」
  https://lineamusuhi.amebaownd.com/
 「上越市ふるさと暮らしセミナー」の様子(拙ブログより)
  http://food-mileage.jp/2017/09/06/blog-37/
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室-オーシャン・カレント」
  http://food-mileage.jp/category/pr/

【F.M.Letter No.127, 2017.9/20配信】掲載