2018年9月27日(木)の夕方は、東京ミッドタウン日比谷へ。
6階にある BaseQ では、先週から FoodQ というセッションが連続開催中です。
この日の Session 7のテーマは「食×社会課題」。
フードロスや野菜の摂取不足、食料自給率や孤食化など様々な問題が山積する食の社会課題の現状を把握し、異分野融合等を通じて解決の糸口を探そうという趣旨です。
様々な分野の6名がゲストとして登壇し、19時にスタート。会場には50名ほどの参加者。
ファシリテータの松尾真奈さん(食や農をテーマにした若手中心の勉強会・霞ヶ関ばたけ代表)の進行により、まずはゲストの方たちから自己紹介。
1人目は(株)コークッキング Co-Founder の伊作太一さん。
フードロス問題をビジネスとして解決しようとするフードシェアリングサービス・TABETE を運営されています。閉店間近等で廃棄されそうな食べ物を欲しい人とつなげることでレスキューするというもので、私も早速登録しました。
続いて(株)エブリー執行役員の菅原千遥さん。
だれでもおいしく簡単に作れるレシピを毎日紹介するDELISH KITCHENというサービスを運用されています。
3人目は(株)ウェザーニューズグループリーダーの鈴木孝宗さん。
コンビニ等に気象情報(予想気温等)を提供する等のサービスの企画開発を担当されているそうです。
続いて私(ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」主宰)。
最後はカゴメ(株)サラダ商品部チーフの湯地高廣さん。
トマトやベビーリーフの商品企画、マーケティングを担当されているそうです(後半の懇談の場にも提供して下さいました)。
引き続き、松尾さんの進行によりディスカッション。
会場からも次々と質問が寄せられ、スクリーンに映し出され、登壇者が回答していきます(文責・中田)。
(伊作さん)
「食とは自分が口に入れるもので、直接、触れることが必要。ラストリゾートが料理ではないか。日常的に、コミュニティの中で料理をする機会を増やしていきたい」
(菅原さん)
「食の文化を受け継いでいくことが大切だが、若い人は親の世代から食事のつくり方等を教わっていない。また、経済的に恵まれていない人ほどバランスの取れた食事をしていない傾向」
(鈴木さん)
「コンビニのおでんが売れるのは、真冬ではなく9月か10月。消費者の嗜好は前日との気温差で決まる。それを的確に捉え、求められる商品を提供することがロスの削減もつながる」
(湯地さん)
「野菜の摂取量が不足しているが、子どもも自分でトマトを植えると好きになる。国民全員が農家になるのが理想。食を通じて地方創生や農業振興に取り組んでいきたい」
私からは資料を配布し、さらにその抜粋を映写しつつ、フード・マイレージについて紹介(輸入食料のフード・マイレージの比較、地産地消の効果についてのケーススタディ(埼玉・小川町)、指標としての限界とメリット等)。
「顔の見える関係づくり」の重要性も訴えました。
ちなみに、この日はふくしまオーガニックコットンのTシャツを着用して登壇。説明もさせて頂きました。少しでもPRになったら良かったのですが。
途中、松尾さんから会場の参加者に「隣にいる方と1分間、自由に感想など話し合ってみて下さい」と。
突然降られたにもかかわらず、皆さん、熱心に話し合っておられました。 登壇者の話を聞きながら、色々と思うところがあったようです。
20時45分頃にセッションは終了。椅子を取り払ってテーブルを入れ、食事をしながらの懇談に移ります。
食品の輸出で出身地を活性化させたいという大学生、食に関わりたくて香料の会社に就職されたという女性、経済的なインセンティブを与えることでよりよい食を実現させたいと語る男性、これまで食についてはあまり取り上げてこなかったという経済専門紙の記者の方達が、声を掛けて下さいました。
会場には、お忙しいなか、神田・なみへいの川野さんのお姿も。
食に対して熱い思いをお持ちの方たちが、大都会の象徴のようなお洒落でファッショナブルな会場に集まりました。
生産者の方も含めてネットワークが拡がっていけば、食に関する多くの社会課題を解決するヒントが見つかるかも知れません。