【オーシャン・カレント】市川英樹さん(福島田んぼアートプロジェクト)

市川英樹さん(福島田んぼアートプロジェクト実行委員長)は愛知県のご出身。東京電力・福島第一原子力発電所の事故後、廃炉作業員として初めて福島に来られました。
 毎日、現場に向かう車中から市川さんが見たものは、事故により避難が強いられるなどして管理ができなくなり、雑草に覆い尽くされた田んぼの風景でした。事故前は地元の、さらには首都圏の食を支えていた田んぼの無残な姿に、市川さんの胸は痛みました。

その一方で、市川さんは地元の方たちの暖かさに触れるうちに、次第に福島の地に魅かれていきました。そして2015年に移住を決心し、いわき市四倉町で農業を始められたのです。
 回りには、まだまだ荒れた田んぼがありました。市川さんは、地域の田んぼを再生し、農と食の元気な姿を発信することで、福島・浜通りの復興に貢献したいという思いを強く抱くようになりました。

その思いをどのように形にするか模索していた市川さんは、隣の田村市常葉地区で「田んぼアート」の取組みが行われていることを知り、足を運びました。田んぼアートとは、古代米など色の異なる稲で田んぼに絵柄を描くというものです。さらに、発祥地とされる青森・田舎館村も視察されました。
 そして自分の目で確かめ、感じた思いを胸に、2017年から独自に田んぼアートのプロジェクトを立ち上げられたのです。

プロジェクトは、地域の方たちやボランティアの賛同・協力を得て、3年目に入りました。その第一弾として、5月5日(日)には「2019田んぼアート田植え体験 in 四倉」が開催されます。恒例になった泥んこになっての田植え体験で、子どもも大人もゴールデンウィークの思い出を作ろうというものです。
 また、楢葉町の田んぼでも5月18日(土)に田植えが行われる予定です。

市川さんは、2020年に浜通りに30万人を呼び込むという大きな目標を持っておられます。今年のプロジェクトがいよいよ始動します。

[参考]
 福島田んぼアートプロジェクト
  http://fukushima-tanboart.com/
 2019田んぼアート田植え体験 in 四倉
  https://www.facebook.com/events/2260146967375125/

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出所:F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信- No.166
 https://archives.mag2.com/0001579997/
 (過去の記事はこちらにも掲載)
 http://food-mileage.jp/category/pr/